東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

陰陽~その4~

臨床も一定のパターンに当てはまってくれれば

面白いように効果があらわれます。でも、そうそう

上手くいかないのが世の常。

 

パターン化できない場合や、「どうもここは当てはまるんだけど

ここは当てはまらないなあ」といった辻褄があわない場合もあります。

 

そういう時にベテランの先生や、治療の上手な先生に診てもらうと

「ああ、確かにこの人は『陰』に傾いているけれど、時間の経過と

ともに『陽』の状態も混ざってくるね」とか、

「体質は『陽』だけど、今出ている症状は『陰証』だね」とかとか。

 

パターン化に慣れてしまうと「決めつけ」に陥りがちです。

そうするとちょっとしたサインを見逃してしまったり、都合のいい

いいように解釈して、思うような結果が出ないはめになります。

結局はどんな治療論も治療法も使う人次第ということになって

しまいますが。

 

臨床を続けていくうちにそんなことに気づかされながら、ちょっと

飛んで現在。

 

今は鍼灸治療はせず、操体を学びながら、操体で臨床を通している身

ですが、改めて「陰陽」と向き合ってみると「はっ」と気づくことが

あります。

 

「『陰陽』のはたらきってお互いに対立したり、依存しあったり、片一方が

増えれば片一方が減ったり、時に『陰』から『陽』へ、時に『陽』から『陰』

へ変わったりするんでしょ?それじゃあ一時も同じ状態なんてないじゃない。

人の『からだ』を診るときも、今目の前で起きている現象をまるごと変化と

して受け取ったらいいじゃない。」

 

当時「陰陽」の理論の面白さに気づいたときはこんな感じで受け取っていた

のに、いつの間にか結果を追いかけて見えなくなっていたんですね。

 

治療の上手な先生は知識や経験はもちろんですが、「目の前の現象を

着色せずに見ていた」のかもしれません。

 

2015年冬季東京操体フォーラム 12月5日(土)6日(日)二日間開催決定

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