東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

向き合い方を変えてみる・・・2。

おはようございます。

 

施術者は、依頼者の症状疾患やそれに伴う主訴をなんとかしようと、真正面から依頼者の持つネガティブな感情や思想から生じるエネルギーと向き合うのではなく、角度を変えてそれらの元になっている、からだの歪みに着目してみる。

操体では、からだの歪みを、単に局所的な筋肉の凝りや張り、関節の変位、脊柱配列の異常などの構造的変化だけで捉えるようなことはしない。動きも含め全身の系統的つながりが、重力をはじめとする自然環境と適応しているかという事も大切なのだ。

そして動きには感覚が伴う。これが最も重要で、健康傾斜の歪体化で捉えれば、症状疾患の程度や期間の全期に渡って、不快感覚が伴っている訳だから、動きに対する感覚というものが重要という事であり、不快な動きの方向にからだが歪んでいるという捉え方をしてみるという事なのだ。

そして、その感覚は感情や想念ともつうじている。ここに身体的なことだけでなく、心とからだが調和に向かう道理がある。不快な動きの方向にからだが歪んでいるのだから、からだにききわけた気持ちの良い動きにより、歪みの整復と身心のバランス調整が可能であるという事。

その過程で、からだにききわけた、その快適感覚を十分に味わう、というプロセスがあるのだから、ネガティブなエネルギーを生み出す感情や想念も、快適感覚によって浄化されていくという事なのだ。

 

実際に、からだにききわけた気持ち良さを味わった事により、思わず両手を合わせて合掌している人や、顔の表情が明らかに変わって少年、少女のように目をキラキラさせているの人も多い。そして、その言動も前向きでポジティブなものへと変わっている。

これは、操者としても操体をやってて善かったと、嬉しくなる瞬間であり、もっと精進しようというポジティブなエネルギーが湧き上がってくる瞬間でもある。

 

また、気持ち良さを味わっている時空、つまりタワメの間というのは、依頼者だけでなく、操者も依頼者との接触をとおして気持ちが良いのだ。気持ちが良いという事は、操者もより良く変わっていくエネルギーを得ているということでもある。

操者も依頼者も一体になって、快に調和していく。そこには後向きでネガティブなエネルギーをつくり出している自我は消え去り、積極的に快に従おうとする生命の本質があるように感じる。

 

2016年春季東京操体フォーラム 4月29日(金)昭和の日 開催決定

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