大好きな画家にエドガー・エンデ(1901〜1965)という方がいます。
日本でも非常に馴染みの深い児童文学作家ミヒャエル・エンデのお父さんです。
日本で原画を観られる機会はなかなかないようですが、名前で検索をするといくつか作品を観ることができます。
彼の絵に触れると、初めて目にする世界観であるはずなのに
「あぁ、これだ」という不思議な「しっくり感」を感じたり、
また同時に、いままで触れられずにいた領域を覗いている、もしくは覗くきっかけをもらっているような感覚になります。
ミヒャエル・エンデの著作「エンデのメモ箱(岩波書店)」のなかに、父親の創作過程に関する興味深い内容が書かれています。
作品を描く前段階として、
アトリエに閉じこもり
その空間を真っ暗にしてソファーに横になる
意図や思考を沈黙させ
無に気を集中する
その結果、
通常とは異なる意識感覚のなか
以上に覚めた意識で
ただただ「絵」がやってくるのを待つ。
そんな一種の儀式のような方法で作品の元になるスケッチを描き溜めることをしていたようです。
息子のミヒャエルにこの過程における「気を集中させる難しさ」を話していたようですが、たしかに、無に気を集中することを意図のない状態で行なうことは、容易ではないでしょう。
時々、エドガー・エンデの作品を前にして、
もし、彼が渦状波®や現在の操体の臨床を受けたら、どんな感想を持つだろう、というようなことを考えます。
2016年11月23日(水)勤労感謝の日
今季のテーマは「膝と進化した操体」です