東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

しかたがないので おてがみ かいた

童謡・唱歌で有名な「やぎさんゆうびん」を

「臨床」の観点から覗いてみています。

やぎさんゆうびん
作詞:まど みちお 作曲:團伊玖磨

しろやぎさんから おてがみ ついた
くろやぎさんたら よまずに たべた
しかたがないので おてがみ かいた
さっきのてがみの ごようじ なあに


くろやぎさんから おてがみ ついた
しろやぎさんたら よまずに たべた
しかたがないので おてがみ かいた
さっきのてがみの ごようじ なあに

 

てがみをたべてから、

くろやぎさんは、何を想うでしょう。

 

うたの中では、次の言葉に移るまで

ほとんど一呼吸の間もありません。

 

ちょっと調子が上がって

『し〜かたが ないので お〜てがみ か〜いた』

 

と、ここで、くろやぎさんは「アプローチ」を始めます。

 

始めるのですが、

その「一手」に移るにあたって、

「しかたがないので」という言葉が

さりげなく生まれているところに

まどみちお先生の凄さ、深みを感じます。

 

メッセージを食べてしまってから、

手がかりを見失って、

最終的に「しかたがないので」

という心境に着地するまでの間。

 

「からだ」を前にして、

くろやぎさんのような状況に

直面した経験のある臨床家の方も、

もしかしたらいるのではないでしょうか。  

 

2017年春季東京操体フォーラム開催します!

 

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