東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

感謝③

健康と病気、共に感謝

 

 我々人類において、感謝といえば何をさておいてもまず、「健康」 に感謝せずにはおれない。 健康であればこそ何でもできる。 努力することも怠けることも、善人であることも悪人になることも、すべて自由に選ぶことができる。 健康とはこのように行動の自由と未知の可能性を自分の人生に与えてくれているものだ。

 

 次に感謝せざるを得ないのが 「病気」 である。 病気になったら、まず、病気とは、何であるかを理解しなければならない。 

 

 病気というのは、からだの本能が、元の健康を回復しようとする尊い努力の賜である。 こんなにありがたいことは他にない。 病気をして熱が出るのは、その高熱によって外来した害菌を死滅させる姿であり、発汗によって菌毒を体外に排泄するありがたい働きなのである。 もし、痛みがあれば、その痛みによって、血液を患部に寄せ集め、病根を清掃している尊い相である。 また、嘔吐をしたり、下痢をするのも外来毒物を一時も早く排出しようとするからだの本能的なありがたい活動である。

 

 どのような病気であっても、正常な健康を、元に快復しようとする働きがないものはない。 そのことを本当に理解できたのなら、まず、「病気よ、ありがとう」 と、病気に感謝せずにはおれないだろう。 胸の内でこのように合掌できるようになったとき、病気の半分は、もうそのとき、治っていることだろう。

 

 何故なら、前向きな明るい心になれることと、冷静な判断ができ、治療方法を過らなくからだが教えてくれているからである。 「闘病」 というような言葉があるが、それは病気を悪いものとして、まるで悪魔のような敵と思い込んでしまうことである。 すると、何よりもまず自律神経が弱ってしまい、血管と内臓の働きが落ちてしまう。 心配すると胃の活動が落ちることでも分かるはずだ。

 

 病気の症状というものは、「からだの本能からの手紙」 である。 病気になったら、からだの症状という封筒を開けて、熟読することが必要だ。 何をしなければならないか、ということを 「症状」 自身がよく教えてくれるに違いない。

 

 こんなにありがたい病気を敵対視して闘おうなんてことをするから、心とからだは分離してしまうのである。 「心身一体」、「身心一如」 の言葉の意味を今一度、吟味する必要がある。

 

 

2017年秋季東京操体フォーラムは、2017年11月23日(木)に開催致します。

テーマは「生エネルギーと性エネルギー」です。

2017年秋季東京操体フォーラム速報