東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

正義3

私が嫌いだった父の、幼少期の話。

父は終戦の年の生まれ、物資がない時代に育ち、父の家自体も貧しく、トタンの家で、雨漏りしていたり、隙間風が吹いており、冬は凍えていたそうだ。

そして、父の父親、つまり私の祖父は、酒飲みで暴力的、家族に手をあげる様な人だったそうだ。

家を出たくて、中学を卒業して、調理の仕事について、下宿生活をした。

しかし、職場では先輩にひどいイジメにあったいたそうである。

父の内向的で不器用な性格やその時の時代背景を考えると、そうだったのだろうと思う。

未だに親友と言える人はいないと、また後になって聞いた。

 

そんなことを聞いてから、父が悪いとは思えなくなってきた。

父も苦しみ悩んできたのだから。

環境は人に大きな影響を及ぼす。それと同時に、同じ環境でも人によっては異なる反応を示し、異なる人生を歩むこともある。

だから幼少期はともかく、そこから立ち直るのはその人自身の意思である、とも言えるだろう。

ただ、そこから立ち直る力があるのかないのか、その勇気があるのか、素直さやハングリー精神を持ち合わせているのか、サポートしてくれる人に恵まれるのかそうでないのか等、その界はなんなのであろうか。

運なのか、運命なのか、魂のレベルなのか、生まれ変わりの回数なのか、色々言えるのかもしれないが、今は私には本当のことはわからない。

ただ、正義を振りかざして父を裁くことには違和感がわく。

 

同じ様に、日常で出会う、私が不愉快に感じることのある人たちも、その場の行動、一側面だけみればただ不愉快な人と私には映るが、その人の生い立ち、環境を想像すると、その人を一方的に責める気は薄れる。

(・・・こともあるし、そうできない時も多々ある;)

 

 

 

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2018年春季東京操体フォーラム

4月30日(月)昭和の日に開催致します。

テーマは「スポーツ障害と操体」です

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