金田一家といえば、日本語研究で有名な方です。
私も、国語辞典で知った小学生から長い間お世話になっています。
老子の「大器晩成」というのが、実は有名なオモテ面であっても、
本当に書き残していたのは、「大器免成」だったというのですが、
なにか、ウラ面的な(みえないものに通じる)何かを感じます。
「大器免成」とは、大きな器は完成しない、という意味ですから、
つまり、人間である限り、誰しも未完成のまま人生を終える。
・・・という、ほぼ正反対の意味を残していた可能性があるのです。
あの江戸時代の絵師、葛飾北斎も九十歳で亡くなるときには、
「あと五年あれば本当の絵を描くことができる」と言い残しました。
ルネサンス期の芸術家、ミケランジェロも八八歳で亡くなるまで、
大理石の彫刻を続けていたそうです。
そうなのかもしれませんね・・・集大成ということは未完成のこと。
現存する肉体の興味による完成のみを目的としていると、
取り組む姿勢が鈍ったり、飽きが生じることもありますから、ホッと
肩のちからを抜いて、「まぁやってみるか」くらいの意識を維持する。
天才と言われた芸術家でも、完成することはできず、くいついたまま
生命の環に戻っていける・・・故に未完で死んでいくのです。
生命とは永遠の完成、それは未完であること、それでいいんですね。
まさに、橋本敬三の哲学思想で語られている、救いの概念に通じます。
・・ということで、一週間のお付き合い頂きまして有難うございます。
明日からは、くいつくのも変幻自在、日下実行委員の登場ですよッ!
4月30日(月)昭和の日に開催致します。
テーマは「スポーツ障害と操体」です