東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

くいつく①・・・後味。

おはようございます。

 

今日からは友松が担当いたします。どうぞ宜しくお願い致します。

今回のテーマは「くいつく」となります。

 

「くいつく」と聞いた時、私は子供の時によく釣りをしていた事が思い返されました。

子供の時の夏休みは、毎日、プールに行くか、近くの川に釣りに行くかどちらかだったと思います。

ちょうど夏休みの始まりの頃は、ハヨ(ハヤ、ハエ)がたくさんでてくる時期で、川に注ぐ支流の小川との合流地点はまさに入れ食い状態でした。

 

釣り糸を垂らせば、すぐに釣れる。そんな状態でしたから、そのうち友達同士で何匹釣れるか競争が始まります。

餌をつけ、釣り糸を垂れて釣っているうちはまだよかったのですが、仲間内の一人が小川の浅瀬に入り、引っかけ釣りをやりだした。

小川の浅瀬の流れの早いところでは、たくさんの小さなハヨが行ったり来たりしていたので、釣り針を投げ入れて揺れ動かすだけで、面白いように魚が引っかかる。餌など必要ない。

短時間で20匹、30匹と釣れる。競争目的でやっていれば、普通に餌をつけて釣り糸を垂れているのがアホらしくなってくる。一人二人と浅瀬に向かうようになる。

しばらくすると、引っかけ釣りをやっている連中の魚籠は、ぎゅうぎゅう詰めになっており、60~70匹は入っている。

 

しかし、そんなに魚をとっても、誰も家に持って帰り、食べる者などいやしない。当時はもう公害問題が騒がれていて、よほど上流の川の魚でないかぎり、食べるのは敬遠されていた。

魚を釣っても、水槽に入れて飼うのがたのしみだった。だから、数は必要なく、魚釣りをたのしみ、元気な状態で持って帰るのを目的としていた。

しかし、目的が数を競う事に変わったことで、たのしみもおかしな楽しみ方へと変わってしまった。魚籠の中でぎゅうぎゅう詰め状態の魚は、窒息してほとんどはぐったりしている。

死んだ魚を持ち帰ってもしょうがないので、そのまま川に捨てる。さっきまで「わ~わ~」「きゃ~きゃ~」騒ぎながら、楽しそうに数を争っていた連中も、この時ばかりはバツが悪そうにしている。後味が悪いのだろう。

やはり、何をするにもルールやモラルがあっての、たのしみなのだ。

 

明日は春季東京操体フォーラム。テーマは「スポーツ障害と操体」ですが、スポーツもたのしむ事を忘れてはいけないと思います。

結果としてのメダルの色や数とか、そういう事ばかりに目がいき、ルールやモラルに反した事をやって、それで成績を上げても後味が悪いと思います。

ましてや、ドーピングでその時限だけ肉体を強化して成績を上げても、自分自身の誇りにはつながらないと思うのです。からだにも悪そうですし。

からだとともに愉しめる。それを忘れてはいけないと思います。

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2018年春季東京操体フォーラム
4月30日(月)昭和の日(振替休日)に開催致します。
テーマは「スポーツ障害と操体」です