東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

「くいつく ~その4~」

先週の日曜日に施術体験という形で操体の臨床に興味を持たれた方達を対象に臨床を通す機会がありました。

 

まだ開業していない私にとっては操体を知らない人達を相手に臨床を行う機会は本当に貴重な場です。

 

ただ「からだを診て治していく」のではなく操体というものをどのように伝えていくのかも臨床の内容、結果と同じ様に大切にしていることです。

 

幸い私が診させて頂いた方は鍼灸の治療院を開業されて十年以上のベテランの方で、何年も前から操体に興味を持たれていたようでした。

 

そういった操体に「くいついてきた」人を相手に言葉で理論を伝えるのが先に行うのか、臨床を通じて操体の世界観を伝えていくのを先にするのか、そこも診断力として問われるところです。

 

私は今回時間の関係もあり、この人には操体の世界観を伝えることを目的にした臨床を通し、後に理論を説明することを選択しましたが、やはり自分のからだを通し体感しなければ頭に入れた情報も活きてこないように思いました。

 

これは臨床の世界だけに限ったことではなく、何にでも通じることだとは思いますが、からだを通じて理解していくことが物事を理解する上で大切なことのように思います。

 

今は雑誌やネットで情報は簡単に手に入れられる世の中になりましたが、その半面良いものを判別する判断力が鈍ってきているように感じます。

 

正しい食いつき方を行うためにも、得た情報だけで判断せずにからだに通して得られたものを大切にすべきことではないでしょうか?