おはようございます。
東京操体フォーラム実行委員ブログ、今日からは友松が担当いたします。
一週間、どうぞよろしくお願いいたします。
今回のテーマは「ひびき」です。「ひびき」と聞いて、はじめに思い浮かんだのが、あの琥珀色の飲み物です。
「響」。このウィスキーは国産のブレンデッドウィスキーのなかでは、最高峰といわれており、普通のウィスキーとは違う趣があります。
日本のウィスキーの場合、シングルモルトのウィスキーよりも、モルトとグレーンをブレンドして作られるブレンデッドウィスキーの方がポピュラーですが、樽の中でしっかり熟成させ、原酒の良さ(個性)を引き出し、そしてそれを見極めてブレンドして、それぞれの持ち味をいっそう引き出していくのは、ものすごく繊細で、文字や数値では表せない感覚的ヒビキと細やかな気配りがモノいう世界なのだと思います。
サントリーの創業者であり初代マスターブレンダーでもあった鳥井信治郎は
「モノいわぬ原酒と会話できるようにならないと、一人前のブレンダーとはいえぬ」
と言っていたそうです。
モノいわぬモノとの会話。言葉を話せるモノとの会話であれば、頭の理解力が優先的となり、感覚的なことは隅に置かれてしまう。
しかし、言葉を話せないモノとの会話では、この感覚がモノいう世界となる。そして、この世界は嘘偽りのない正直な世界。
真剣に取り組んでこそ、モノいわぬモノの言わんとすることが感覚的にヒビク世界。そしてそのヒビキに対して、どう応えるか。
感覚的なヒビキ方、応答の仕方という会話の質が、モノコトの調和の妙、ハーモニーの妙につながる。
だから感覚は鋭敏にして置く必要がある。そして、なによりも、モノいわぬモノに生かされて生きているという観点は必要。そうでなければ、モノいわぬモノに共感は生じづらいし、確かなヒビキは得づらいでしょう。
「からだにききわける」「からだとの対話」によって、からだの要求にどう応えるのが最善かを追求してきた操体、操体法にもいえることだと思います。