東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

友松 誠(ともまつ まこと)

ふれる・・・4

おはようございます。 彫刻家の高村光太郎は「触覚はいちばん幼稚な感覚だと言われているが、しかも其れだからいちばん根源的なもの」という捉え方をしていた。 幼稚なのだが根源的な感覚。 この感覚は、今の人為的情報過多な社会を生き、ややもすると情報に…

ふれる・・・3

おはようございます。 見るという事も、目で見て感覚するというだけではなく、そこに触れていると意識すると何か感じ方が変わるような気がする。 何か、今現在の現象に参加して立ち会っているとか、居合わせているという感じがする。 そして、無意識のうちに…

ふれる・・・2

おはようございます。 道程という詩集で知られる高村光太郎は、彫刻家であった。 彫刻家であった高村光太郎は、「触覚の世界」と題した随筆のなかで、こう書いている。 私にとって此世界は触覚である。触覚はいちばん幼稚な感覚だと言われているが、しかも其…

ふれる・・・1

おはようございます。 実行委員リレーブログ、今週は友松の担当となります。どうぞ、よろしくお願い致します。 今回のテーマは「ふれる」ということでリレーしております。 触れる。一般的にはタッチとか、手で触ってみるという事が思い浮かぶと思う。 しか…

何を学んでいるのか・・・7

おはようございます。 今回のブログ担当も最終日となりました。 今回のテーマは「何を学んでいるのか」でした。 私も本格的に操体を学び始めた頃は、疑問形で「何を学んでいるのか?」と考える事が多かった。 それでも、その疑問形は学び続けていくうちに「…

何を学んでいるのか・・・6

おはようございます。 朝、テレビ番組のニュースを見ていると、最近はAIによる自動音声でニュ―スを伝える場面が多くなったように感じる。 人間のアナウンサーが端と端に2人いるのに、わざわざAIによる自動音声でニュ―スを伝えている。 数年前ならば、自…

何を学んでいるのか・・・5

おはようございます。 誰でも自我がある。 自我があるから人間なのだという人もいるだろう。 自我については様々な捉え方がされるが、他者や外界から区別して意識される自分という意味で捉えてみる。 そうすると、自我というのは自分が自立する為に必要なも…

何を学んでいるのか・・・4

おはようございます。 操体の創始者、橋本敬三先生の遺された色紙の数々には、「調和を探る」という言葉がよく使われているように感じる。 操体の学びは、「病をやっつける」というような、相対対立して病という悪者を攻撃するやり方を学ぶものではない。 病…

何を学んでいるのか・・・3

おはようございます。 治すのは、あくまでからだである。 バランスを崩し、不快症状が生じている状態でも、からだは本来のバランスに戻ろうと働いている。 イタイ、ツライをはじめとする気持ち悪い感覚も、本人にバランスの崩れに気づいてほしくて、協力して…

何を学んでいるのか・・・2

おはようございます。 私も本格的に操体を学ぶ前に、操体法に関する本をいくつも読んでいた。 そして、その中に載っている症状、疾患に対する操体法も注意深く読んでいた。 読んでいて、不思議に感じたのが同じ症状、疾患でも全く違う事を行っていたり、同じ…

何を学んでいるのか・・・1

おはようございます。 私は、本格的に操体を学びはじめて20数年となる。 学びはじめの頃、「何を学んでいるのか」と考える事が多かった。 自分自身に対する疑問形の問いかけであり、治療技術が学びたくて入門したのに「こういう症状にはこうする」といった…

はじめての操体法・・・7

おはようございます。 はじめての操体法。はじめて操体法を学ぶ人に知っておいてほしい事というと、やはり操体法は創始者、橋本敬三先生の思想、哲学、生命観である操体の臨床での応用という事。 操体あっての操体法。 手っ取り早く技術だけ教わって、哲学は…

はじめての操体法・・・6

おはようございます。 はじめての操体法。はじめて操体法を知るにあたって、操体法って何か変わった名前だなと思う人もいるのではないかと思う。 操体法という名称は、橋本敬三先生がNHKのラジオ放送に出演する際、名称が無ければ紹介しづらいということ…

はじめての操体法・・・5

おはようございます。 はじめての操体法。はじめて操体法の第3分析である皮膚へのアプローチを受けると、意識飛びの眠ったような状態になる人が多い。 そして、意識飛びの状態から醒めた後、驚きと戸惑いの表情を浮かべる。 勿論、良い意味での驚きと戸惑い…

はじめての操体法・・・4

おはようございます。 はじめての操体法。操体法は、第1分析にしても第2分析にしても「動かして診る」という事に主眼が置かれている。 この事から、操体法をこれから学びたいという人にとって、大抵はじめに思い浮かぶ疑問があると思う。 「では、動けない…

はじめての操体法・・・3

おはようございます。 もう10年ほど経つだろうか。 「操体法って痛いんですよね」とか 「操体法で痛くされた」といった電話による問い合わせが、頻発していた時期があった。 すべて遠方の方からの電話で、実際に来院されたことはなかったが、考えさせられ…

はじめての操体法・・・2

おはようございます。 私が本格的に操体法を学び始めた頃には、すでに「ツライ動きの方向から痛くない楽な方向に動いてもらう」という診断分析法から「動きによる気持ちよさをききわける」という診断分析法に、操体法はシフトアップしていた。 第一分析から…

はじめての操体法・・・1

おはようございます。 実行委員リレーブログ、今週は友松の担当となります。 どうぞ、よろしくお願い致します。 今回のテーマは「はじめての操体法」ということでリレーしております。 はじめての操体法。 私がはじめて操体法を知ったのは、20年以上前にな…

テーマ、健康と寿命・・・7

おはようございます。 先月お亡くなりになった松本零士氏の作品の中に「銀河鉄道999」,という漫画がある。 この漫画は、主人公の鉄郎という少年が機械の身体をもらうために、メーテルという謎の女性と共に銀河鉄道の999号に乗って、銀河を旅する物語と…

テーマ、健康と寿命・・・6

おはようございます。 先月、テレビのニュース番組を見ていて漫画家の松本零士氏の訃報を知った。 番組では10分くらいの特集を組んでいて、松本氏の作品である「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」の紹介や、生前のトークショーの時の模様などが放映さ…

テーマ健康と寿命・・・5

おはようございます。 来院していただいている被験者の方たちのなかに、健康の為に様々なエクササイズをしている人もいる。 健康になりたくて取り組んでいる○○というエクササイズなのに、なかなか身心の不調が解消されないという。 なぜ身心の不調が解消され…

テーマ健康と寿命・・・4

おはようございます。 生命エネルギー収支のバランスをとり、いかに良く環境に適応するかが、健康の鍵となる。 そこで橋本敬三先生は、自分自身で責任もって営まねばならぬ最小限の生命活動の営みである「息」「食」「動」「想」に注目し、それぞれの自然法…

テーマ健康と寿命・・・3

おはようございます。 病気をしない事、イコール健康という考え方の人もいるだろう。 しかし、実際はそんな二者択一的なものではない。 健康な状態から病気に至るまでには、「息」「食」「動」「想」と「環境」とのバランスが乱れ、歪み(ヒズミ)が生じ、な…

テーマ健康と寿命・・・2

おはようございます。 操体の創始者である橋本敬三先生の著書の中に「健康とは、個体の生命エネルギー収支のバランスがとれていて環境に適応する状態を言う」との一文がある。 健康について、生命エネルギー収支のバランスの大事さは理解できても、環境に適…

テーマ健康と寿命・・・1

おはようございます。 実行委員リレーブログ、今週は友松の担当となります。 どうぞ、よろしくお願いいたします。 今回のテーマは「健康と寿命」ということでリレーしております。 そもそも健康とは、どのような状態なのでしょうか? 人それぞれ健康について…

テーマ「うらおもて」・・・7

おはようございます。 裏と表の二面性、それは白か黒かというような、どちらが良くてどちらが悪いとか、どちらが正しくて、どちらが正しくない、というような二面性ではないと思う。 どちらも双方が良いのであり、環境や状況に合わせてどちらかが表立った活…

テーマ「うらおもて」・・・6

おはようございます。 「ウラかオモテか」と選択を迫られると、白か黒かというような相対するような発想になりやすいと思う。 白か黒かということでいえば、師匠が黒と言ったら白いものでも黒になるというのが思い浮かぶ。 これは一見、師匠が無理強いをして…

テーマ「うらおもて」・・・5

おはようございます。 私たちの身体は、60~70兆個の細胞から成り立っているという。 その細胞一つ一つも、細かく突き詰めていけば、その成分は分子の集合体であり、ここまでくると生物と非生物の区別もなくなってくる。 そして、分子は原子から成ってい…

テーマ「うらおもて」・・・4

おはようございます。 唯物論的な考え方が優位であれば、私たちの身体も単なる肉体になり下がってしまう。 その肉体は、60~70兆個の細胞から成り立っている。 あまりの数ゆえ、この事実は漠然とした数字として受け止めがちである。 しかし、改めて考え…

テーマ「うらおもて」・・・3

おはようございます。 今回のテーマは「うらおもて」ですが、このテーマをはじめに聞いた時に脳裏に浮かんだのが、橋本敬三先生の唯心的な生命観、世界観でした。 この独特な生命観、世界観は、三浦寛先生が修行時代に、折に触れてよく話されていた事なのだ…