日下和夫(くさかかずお)
仏典によると、明呪(マントラ、真言)には功徳と効験を賜っていると書かれている。 この明呪はジャパ(念誦)という作法と結びついて、百八の念誦をつまぐりながら低い声でマントラを繰り返して唱える作法である。 その明呪を繰り返し唱えることによって、…
初日よりこれまで述べてきた内容から、般若心経の解釈は日本の密教である真言密教の空海上人の解釈に近いと思えるであろう。 しかし、密教を大日法身の内証の境界をエリート層の菩薩たちのために説いた教えであると、そのような勿体ぶった解釈をする弘法大師…
般若波密多(ハンニャ・ハラミッタPrajñā‐pāramitā:プラジュナー・パーラミーター)は大乗仏教の菩薩(bōdhi‐sattva:ボーディ・サットヴァ)の修行に六種(布施・戒・忍辱・精進・定・慧)ある中で一番大事な 「慧」 の行法であり、ここでいう般若波密多(ハンニャ・ハラミッタPrajñā‐pāramitā:フ…
般若心経を日本語に訳すと、般若波密多(ハンニャ・ハラミッタPrajñā‐pāramitā:プラジュナー・パーラミーター)という女体の菩薩の心臓を解きあかした経典ということになる。 施護(Dānapāla:ダーナパーラ)の訳に 「聖仏母」 とあるのは、この女性の菩薩が、仏母(Bhagavati:ヴァガ…
今回のリレーブログのテーマは操体経典とも言える 「般若身経を解説」 である。 仏教経典の 「般若心経」 と 操体経典の 「般若身経」 は 「心」 と 「身」 のひと文字に違いがある。 操体の 「般若身経」 を解説する前にその元になっている仏典の 「般若心…
衛生動物とはヒトの回りにいる有害、不衛生な小動物のことで、言葉の上では逆説的な意味で捉えるかも知れないが、それらは病害を及ぼす恐れがあり、適切な距離や対処の仕方を学ぶ必要がある。 具体的には日本脳炎のウイルスを運ぶ蚊、出血熱のウイルスを撒き…
地球上には多種多様な動物が生存している。 そういった動物の生命活動のほとんどが食糧や酸素を得ることと種族保存のための生殖活動である。 しかし、その生存活動は過酷であり、それぞれが生存に有利な場所を選んで暮らしている。 そんな中で寄生虫という生…
我々の身の回りにあるものはバスルームやキッチンのような水回りの高温多湿の状況下では、真菌の一種であるカビが発生する。 食物にもカビが生えるし、同じく真菌の一種である酵母菌によって発酵するかも知れない。 当然、ヒトのからだも真菌に感染していろ…
昨日は細菌感染に特定した内容だったので、今日はウイルス感染について述べてみる。 ウイルスはゲノム核酸とタンパク質等から成る20~300nmほどの大きさの粒子である。 宿主の生体細胞内でゲノム核酸を複製し、必要なタンパク質を合成して粒子を再生産する…
感染に対する免疫力が強い弱いというのはどのように違うのだろうか? まず 「感染」 の意味は、細菌やウイルス等の微生物がヒトなどの宿主に侵入することであり、その微生物が定着して増殖することで引き起こされる疾患を 「感染症」 と言っている。 しかし…
昨日は感染症についてコメントしたが、その感染症を警戒するあまり、ヒトにとってバイ菌やウイルスが毒だ、というので過剰にそれらを殺すことばかり考えるようになってしまった。 そうすると、抗菌・除菌・殺菌ということに専念して力を注ぐことになる。 し…
今回のリレーブログのテーマは 「この時代の暮らし方・私の免疫力アップ法」 21世紀に生きる我々が健康に生活する上で 「感染症」 というものが重要な課題に挙がることに異議を唱える者はおそらくいないであろう。 感染症は人類の歴史において常に脅威の連…
言葉というのは心から発信される、その心を持ち込まないように言葉を飛ばすことを試してみる。 たとえば目の前にある一輪の花を見る、それもただ単に見る。 「美しい」 とか 「醜い」 とか言ってはならない、一言も言葉に出してはならない。 その花を見て言…
普段、我々はからだから多くのエネルギーを飛ばしている。 そのエネルギーを浪費し、消耗しきっている、だからたくさん食べなければならない。 エネルギーが流れ出るには何か尖ったものが必要であり、そのからだの末端部が手足である。 手足のほかにも男性性…
自分のお気に入りの公園にある一本の木に近づいてその木に静かに語りかけてみる。 そして、その木に触れてみる、さらにその木を抱擁してみる、それからその木のオーラーを感じてみる。 次にその木の傍らに静かに坐ってみる、「自分はいい人で、傷つける気持…
今日は瞑想実験室からのスタートだ! それは思考からアプローチする実験の開始! 自分の部屋を実験室にして閉め切ってその中に座り、自分の思考を書き取りはじめる。 その紙を他の誰かに見せる必要などないので、頭脳に入り込んできた何もかもを書き取る、だ…
静かな森のなかにある大きな木の下に座って、過去を飛ばし、未来も未だなく、何も考えることなくただそこにいるとき、一体、どこに自分の存在があるのだろう? 一体どこに 「私」 というものを見つけ出せるのか? いや、それを感じることはできない。 たった…
ジェット旅客機で大空高く飛んでいるときほど瞑想に適った状態は他に見出すことができない。 長距離便の航路のようにその標高が高ければ高いほど、ますます瞑想は容易になる。 だからこそ心の探求者である瞑想家たちは何世紀にもわたって高地を求め、ヒマラ…
このテーマについて、 『爽快感なる瞑想』 というものに関連づけて、「飛ばす」 をつなげてみたい。 その前に現在、世界的に大流行している新型コロナウイルス伝染病について一言! 自然界に生息している野生動物には、疫病はもちろんのこと伝染病に罹るよう…
「調身・調息・調心」 というものがそれぞれ直接、あるいは間接に繋がっているということは初日から述べてきた。 そして、肉体と精神の間にあり、その両者をつないでいるのが神経系であることもすでに述べた。 この神経組織は精神により密接な繋がりをもって…
心身一体論が、心からからだへ、からだから心へとなされる伝導と影響がどのようになされるのかということは昨日、記述したとおりである。 こういった心とからだの相互交渉の中で特に関係が深いのが深層心理と、間脳と、自律神経と、内分泌である。 心とから…
心身一体という理論を、心とからだという通常は大ざっぱに考えられているこの二つの結びつきは、実を云うと非常に複雑微妙な構造をもっている。 そのような心とからだの構造の中には、心ともからだとも云えない部分がいくつもある。 俗に心とからだという両…
昨日まで、ととのう(調う)ということを心とからだの調和という内容で話を進めてきたが、本当のことを言うと、心とからだという二つのものに分けることがそもそも間違いなのである。 心とからだは元来一体であって、これを二つに分けるのは、我々がものごと…
自律神経は、内臓の働き、血液、リンパ液の循環、ホルモンや酵素の分泌などを司るものであり、まさに生命の根本といえるものだ。 自律神経には、交感神経と副交感神経の二種類があり、この二つがバランスよく興奮することでからだの営みは調ってくる。 また…
操体の動診・操法には 「緊張感」 と 「快適感覚」 の調和が存在している。 そして、動診・操法の生命は快適感覚の方にあるので、緊張感は快適感覚の補助といえる。 操体がほかの整体と違って健康療法として段違いの効果を発揮する理由は主としてここにある…
今回は 「ととのう」 というテーマになっている。 「からだを操る療法」 として 「操体」 という側面から見た 「ととのう」 という言葉は、整体や整形外科の文字に使う 「整う(ととのう)」 と表示するものと思いがちだが、実は 「カラダの調子」 とか 「コ…
昨日まで、さんざん頑張るな! 頑張るな! と述べてきたわけであるが、我々にとって本当にそのことが理解できるのだろうか。 それはおそらく無理であろう。 では、頑張ることなくそういった知性だけで行動変換が出来得るのだろうか。 いや、それも難しいと言…
自然生命の柔らかさやしなやかさを表わすのに、操体では 「きもちよさ」 という言葉を用いている。 このきもちよさという自然生命の感覚は、力み、緊張といったからだのこわばり、つまり頑張ることに対して、ゆったりと心地よいという快適なからだの感覚を意…
頑張ることでからだの一部の筋肉のみが暴走して、全身の関節や筋肉の動き、腕、腰、脚の協調性が乱れてくる。 すると、からだの重心移動や背筋のバランス、足底と地面の接地感覚などが崩れてしまい、まさに地に足が着かない状態になる。 だからといって脱力…
頑張るというのはからだが 「力む」 ということに尽きるが、これは周りをよく観察することや、自分の心身の状況を感じる余裕もなく、ただ目的に向かって猪突猛進していく状態である。 当然、からだは感情や意志に強く影響されるので、強烈な力が出るときもあ…