東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

「般若身経」からのメッセージ(3)

さて、中焦の部位(横隔膜~臍の高さ)においては、右には肝胆、左には脾胃の反応が出ます。脾胃が虚すということは、姿勢で見ると、左体側が短縮する形をとります。

腹横筋の緊張が低下し、左体幹体側(胸部下部~骨盤上縁にかけて)きちんとコルセット状に体壁を維持できない状態となります。これは提灯に例えれば、右側の蛇腹はピンと張っているが、左側はクシャッと潰れている状態です。

この時、腹腔内は胃を中心にやや下垂気味になり、蠕動運動や消化液の分泌等の機能は低下します。

この様な姿勢になると、重心は右方へ移動しやすくなります。左に載ったままであると、股関節疾患を発症しやすい傾向にあります。

 

先程、胸脇苦満が柴胡剤を用いる大切な目標★と書きました。柴胡は、小柴胡湯の君薬(主たる生薬)です。胸脇苦満は、胸から季肋下にかけて充満した状態があって、この部を按圧すると、抵抗と圧痛を訴える状態を言います。そして呼吸が浅くなっています。

 

これは、別の言葉で言えば、横隔膜の機能不全状態ということになります。

そこで左体側を伸ばし、呼吸活動を健全化してあげる必要があるのです。

また、呼吸により、この状態を改善する可能性があるということです。

 

2020年秋季東京操体フォーラムは11月23日(月)勤労感謝の日 オンライン(zoom)開催致します。テーマは「操体法クロニクルズ」他。
登壇 三浦寛、半蔵、岡村郁生、瀧澤一寛、三浦寛幸、寺本雅一、畠山裕美他

www.tokyo-sotai.com