植物探索に続いて、連鎖するように興味を抱いたのは都会にいる野鳥の存在だった。
先日紹介した雑草図鑑の姉妹本で野鳥を扱ったものもあり、
これがたまたま我が家にあった。
(このペースでいくと"山渓"のこのシリーズはすべて買い揃えてしまいそうである)
最近、鳥好きの方と続けて知り合いになったこともあり、なんとなく野鳥のことは気になっていたが、せいぜいドバト、カラス、スズメ、ウグイスだかメジロだか、それと電線に留まっているでかいインコ(ワカケホンセイインコ)くらいしか頭になく、なかなか縁遠い存在のままだった。
そんな中、鳥好きの方と一緒に畑作業をしていて、とても興味深い体験をした。
その方が急にピタッと手を止めて彼方を眺め始めたのだ。
どうしたんだろうと思うと、どうやらどこかで野鳥が鳴いているのがきこえて、その声を頼りに探していたのだった。その人は鳴き声で何種類かの野鳥のききわけができる方だった。
なるほど、鳴き声か。
そういえば日中の時間帯に、鳥の鳴き声から鳥の種類を判別するとか、そういったことをやってみることなんか思いつきもしなかったなと思った。バードウォッチングならぬ、バードヒアリング?とでも言えばいいのか。
それからというもの、自宅にいる時も、散歩している時も、自転車で移動している時も鳥の鳴き声に耳を傾ける時間をもってみるようになった。そうすると、なんの鳥がさえずっているかは勿論わからないけれど、結構たくさんの種類の声が聴こえてくることに驚いた。
何とも言えず、鳥の鳴き声が音を介して触れてくるような感覚を味わうようになった。
しかし、あんなに小さなからだで、あんなに遠くからよくもまぁしっかりと声が響いてくるものだ。
もうひとつ自分自身面白い変化があった。
鳥の声に耳を傾けることをするようになって、朝、設定しためざましアラームの鳴る前に鳥の鳴き声が聞こえてきてハッと目が覚めるているのでは、と感じる機会が増えた。確認することはできないが、そういうとき目が覚めてまず意識が向いているのが外で鳴いている鳥の声なので、多分その響きがきっかけになっているのではないかと想像する。
日常生活で耳の使いどころを少し変えてみているからだろうか。
この調子で鶏の「コケコッコー」ではないが、アラームなしに、近所の野鳥に起こしてもらえるようになったらとても理想的だなぁと思う。