おはようございます。

 

秋の夕暮れは、日が暮れるのも早く、日が暮れてから真っ暗な闇夜になるのも早い。

俗に、秋の日は釣瓶落としと形容されるように、夜のとばりが降りるのが早くなる。

先月までは、遅くまで空の色が藍色に見えていたが、早いうちに真っ暗になってしまう。

しかし、真っ暗になっても、今度は月が照らしてくれる。

 

明けたかと思ふ夜長の月明り

 

夏目漱石が俳句に詠んでいるように、この時季の月は、よりその存在感を増している。

読書の秋、芸術の秋といわれるが、人間の文化にとって、秋の夜長に月明りの果たしてきた役割というのは非常に大きいと思う。

 

ハッキリ、クッキリ見える電灯が灯る今の時代になっても、月明りと朋に紡いできた文化というのは色褪せないと思うし、逆にそれを求める精神性もあると思う。

 

文化的側面もさることながら、もし月が無かったらどうなのだろうか。

地球の地軸の傾き、潮の満ち引きなどがガラリと変わってくる。
今生きている私達をはじめ、様々な生きものは生じていなかったと思われる。

 

地軸の傾きは、太陽系の全惑星間の重力の相互作用によって生じており、他の惑星では傾きの変化の度合いがもっと大きいといわれる。

しかし、地球の場合は、衛星として類のない大きさの月の重力の影響で、永い間安定的な地軸の傾きを保っているという。

その御蔭で、予測可能な四季が生じる環境となり、その中で生物の進化も可能となったとされている。

特に人間の場合は、捕って食べるだけでなく、作物を植えて収穫して食べてもいるのだから、予測可能な四季が生じる環境というのは、知性や智慧を育む事にもつながり、今日の文明、文化にもつながったと思える。

 

今を生きる私達は、宇宙規模の絶妙なバランスでも、生かされて生きている。

今ここに居るだけで凄い事なのであり、もっと有難く生かされている事に自信をもって、生きていっても良いのではと思う。

 

一週間のお付き合い、ありがとうございました。
来週は畠山裕美先生の担当となります。
どうぞ、おたのしみに。