東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

姿勢を考える

犬や猫が寝ているのを見ていて姿勢について気づいたことがある。
犬や猫は横向きに寝ている。犬や猫の胴体は、人間とちがい、縦の方が長いから、横に寝るべきであり、人間のそれはというと横の方が長いから、縦に寝るべきである。人間の寝る姿勢は仰向きが正しい。ただし、体の不調から横向きに寝たい時もある。大抵は、違和が起こっている側を上にして横になっている。上位の側の方が血循がよいためである。また、伏臥位で寝るのは、腎臓のためにはよい。腎臓の弱りやすい人間は時々、伏臥位で寝ることを勧めたい。私は就寝前5分間の伏臥位を日課にしている。
次に人間の立っている時の姿勢であるが、頭は重いのに、それを支える頸椎は、中央ではなく、後方にある。だから顎は年をとるにつれて前に突き出てくる。それが頸椎を歪めることになるから、つとめて顎を後方に引くことが必要になってくるのである。


次に顎と同様、頭と胴との重量は、仙腸関節にかかってくるが、それを受け止めている股関節は、その垂直線下にはない。だから年をとるにつれて恥骨が前に突き出てくる。元々、縦に重なって狂いやすい仙腸関節がますます外れてしまうことになる。それで骨盤内の器官が、まず障害され、次に両脚が弱まり、やがて全身が歪んでくる。そこで恥骨を後ろに引くと、股関節が仙腸関節の重心線に近づき、関節が安定して、終日、立っていても外れにくくなるのである。また、年をとると股関節が外転していくから、重心が足裏の外側に移行し、両足の両外側で歩く形になる。これが歩行を困難にし、脳に悪振動を与え、肝臓も弱めてしまう。年をとると股を開いて歩く、といわれるが、ゴリラの歩き方もそうだから、頭脳が発達しないのである。
これを防ぐには、足の親趾に力をこめることが重要になってくる。立っている時の姿勢は顎を引く、恥骨を引く、足の親趾に力をこめるということが必要不可欠であるということがわかってきた。


また、姿勢は癖でもある。体に着いた姿勢の癖で、体が心の病気を起こすことにもなってくる。肺が堅くなると頑固になる。骨盤が曲がるとヒネクレる。肩が捻れるとカンシャクになる。頸が堅いと疑い深くなる。体の重心が前に傾くと心配性になり、後ろに傾くと傲慢になる。頸が前に出ると干渉好きになり、腰が前に出ると臆病になる。これら病気の性格を治したいならば、体についた癖を治さなければならない。からだの歪みを正すことが重要とされる所以でもある。



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