私がまだ小学生の頃、夏休みと言えば
決まって母の実家へとお泊まりにいっていました。
母の実家は福岡県と大分県の県境に近い
農村部にあり、じいちゃんとばあちゃんは
農業を営んで暮らしておりました。
じいちゃん、ばあちゃんの朝は早く
僕が目が覚める頃にはとっくにおきて
田んぼの手入れに出かけていました。
私が何故じいちゃん達はそんなに
早起きをするのかと訪ねると
「陽の上らん内にやっとかんと
昼間は仕事にならんけんね〜。」
と笑って答えていました。
その言葉の通りにじいちゃんとばあちゃんは
昼前に帰って来て僕と一緒に昼ご飯を食べると
縁側にござを引いて昼寝をするのが日課でした。
陽の当たらない縁側は風通しも良くて
最高のお昼寝スポットでした。
陽が傾いてくるとまたじいちゃんとばあちゃんは
愛車の軽トラックで畑に野菜を穫りに向かいます。
今度は私もふたりの間に座って出発進行です。
この時期は確かキュウリや茄子、トマトを
作っていて、畑で収穫したものを川で洗っては
町の市場に出荷するまでが午後の仕事でした。
なんだか操体法の話とはかけ離れてしまいましたが
じいちゃん、ばあちゃんとの生活は
自然の流れに乗っかっておおらかに過ごせた
気持ちよい思い出として今でも鮮明に残っています。
最近、私がトマトをあまり好きではないのは
ばあちゃんがおやつ代わりにもいでくれた
真っ赤に熟れたトマトの味が本当に美味しくて
スーパーで買って食べるトマトの味に
違和感を感じてしまうからなのでしょう。
写真はこのじいちゃんばあちゃんの娘の
私の母が家庭菜園で作っている
野菜たちです。