東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

行く方

日本人の特質と言えば”大いなる無節操”ではないだろうか?
要するに、こだわりが無いのだ。”変われる”ということだ。
良いものは取り入れる。使えるものは工夫して使いこなす。(猿真似、二番手指向、柔構造、と言われる所以である。)
生活を豊かにしてくれるものは一応味見してみる。
それでは、Yes,Noの判定基準は何か?
それが「自然」である。
日本人にとって自然だなと感じるもの、染むもの、納得するもの、である。
人間と自然(環境)が一体となったところから出て来る(代々継承されて来た)認識である。
それを言葉で表現するのは極めて難しいのでこれくらいにしておく。
だが、何故「自然」にこだわるのかだけは書き記しておきたい。
それは、創始者である、橋本敬三先生が「操体は、自然法則の応用貢献である。」と言っておられるからである。
自然法則は普遍的に在るが目に見えない。だが捉えることは出来る。
橋本師は、持ち前の「野次馬根性」で色々な学術を咀嚼して「操体」を創始された。(そして、「完成されたものではない。」と言い遺している。
別の角度から見れば、師が自分の生命時間の中で握んだ真理を、彼の時代の様式を使って表現した。と言うことが出来るのではないだろうか?
我々の課題は、「静かな呼吸を通して快を味わうこと」という操体のもう一つの定義を、我々の時代なりにどう表現するか、ということではないだろうか?


山野真二