東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

捨てること

福岡は雪の大晦日お迎えております。私の整骨院の近くにある博多の台所『柳橋連合市場』でもお正月準備の買い物客でにぎわっていました。秋穂家もいとりでも多く福の神を呼び込もうと今日は大掃除をしました。朝から家中を引っ掻き回しながらの大騒動こんな事なら早くからやっておけば良かったと思いながら、来年も大晦日の大掃除わ繰り返されるのかもしれません。大掃除と言えば、毎年のように、「いつの間にこんなにものが増えたのだろう?」と思う程、収納しきれなくなった洋服やらおもちゃやらの行き場を探して家の中をさまよい歩いています。掃除好きの知人に上手な掃除の仕方を訪ねてみると必ず返ってくる答えが「掃除はまず入らないものを捨てる事でしょう。」です。しかし、良く言えばものを大切にする。普通に言うとどケチなな私に取ってはかなり難位度の高いテクニックです。

前回、三浦寛理事長の元で操体法を学ぶ事になった秋穂くんは初めての講習会に出席しました。その受講者には現在もフォーラムの同志として共に学び続けている佐伯さんや鵜原さんも参加されていました。この操体法東京研究会に参加されている受講生の皆さんの経歴は本当に様々で、ご存知佐伯さんは海外でも活躍されていたアーティストだし、鵜原さんのように主婦の方もおられれば、この間まで会社勤めだった方もいる。本当に面白い人たちの集まりでした。その講習の中で、三浦先生が言われた言葉がある。「何かを学ぼうとする人間は、過去を捨てる事によって新しいものを得るのです。」どうしても私のようなケチンボな人間は今まで築き上げたものを失うのが怖くて、新しいものを受け入れられなくなってしまっています。でも三浦先生はこうも言われました。「そこで手放したものは、未来永劫失ってしまうのでは無く、新しいものを受け入れた上で、より一層の輝きを持って返って来るんだよ。」この話に感動した私は、間もなく勤務していた整骨院を退職し、本格的に操体法を学ぶ事になったのでした。

しかし、今になって思うのですがこの話は、少なくても私に取っては真実だったように思えます。それから3年半は治療院の仕事を一切辞めアルバイトと操体法の勉強という限り無く現場から遠い生活を営んでいたのですが、その生活から一転整骨院を開業してみて驚きました。3年半のブランクどころか以前勤務していた時とは比べ物にならないくらいに、仕事が面白くなっていたのです。診断の見立てが変わったと云う事もあるでしょうが、患者さんとの向きあいかた、患者さんのからだとのつきあい方が格段に変化していたようにも思えます。古きを捨てて新しきを知る。橋本敬三先生の温古堂の名付け親になったという「温故知新」も「過去を捨てて、新しいものを得る」のも結果的には同じことなのかな?大掃除しながらそんな事を考えていました。

でも、古くなったものでも、また何かの時に使うんじゃないかと思うとなかなか捨てられないんですよね〜コレが・・・

では今から除夜の鐘を突きにいってきます。


秋穂一雄