東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

ブームはかく作られり

今更ながら殴られそうですが、『KARA』『少女時代』をご存じだろうか・・・私は正直、年末位まであまり知らず、まぁ興味も無くといった感じでした。
まぁ私は師匠である畠山先生からも、音楽に関してはミーハーだとお墨付きを貰っているので、何ですが、いわゆるK-POPというジャンルの韓国アイドルのグループです。
2010年はまさに怒濤の勢いで、連日テレビや、まぁ驚いたのはNHKでもメインのニュースで取り上げたりと、何をそんなに騒いでいるのかと、やや冷たい眼で日々見ておりました。元々がK-POPなるものには興味も無く、若い子が騒いでいる程度で見ておりました。

そんなとき、年末に幾つかの企業忘年会の様子をテレビで特集していて、アナウンサーが「今年の忘年会はKARAのヒップダンスや少女時代の美脚ダンスが流行ってます!」などと胡散臭そうに喋っているのを聞いて、俄然私の“ミーハー魂”“分析魂”に火が着きました。
数年前から韓国系の映画や、音楽などが割に年齢層の高いところでブームになり、一時期、韓流ブームなどと言われ、今や韓国にとって日本は良いお客様であり、新大久保辺りは今や韓流の聖地と成っているとのこと・・・
確かに、「KARA」「少女時代」を見ると、皆さんべっぴんさんですし、ダンスも上手いですし、曲も何処かで聴いたことのあるような、アメリカンティスト満載の馴染みある音楽で、若い子には取っつきやすいのだろうなぁと感想を持ちました。
しかも、比較的“K-POP”の垣根が韓流ブームもあって、低くなっていることから、以前のように抵抗なく、日本人に馴染んだんだろうと思いました。
 更に分析すれば、これが金髪のアメリカ人グループだったら、多分、ここまで流行らなかったのだろうと思います。
”黒髪””馴染みやすい雰囲気””たどたどしい日本語”は重要な要素だったと思います。たどたどしい日本語は何だか頼りなさげで、でも一生懸命に話そうとする姿勢に共感を覚えたことも大きな理由だと思います。たどたどしい日本語って、日本人がそうだと、馬鹿っぷり炸裂でアホキャラに成ってしまいますが、外国人がそうだと、赤ちゃん言葉と似ているところがあり、可愛く見えてしまうという「たどたど言葉マジック」に成ってしまうのです。古くはアグネス・チャンなど(今でもたどたどなのは納得出来ず)言葉は何処か頼りなさげでも、歌って踊ると凄い!っていう落差に若い子達は惹かれているのではと思います。
 日本人のグループで考えると、ダンスや歌が上手くても、多分、ここまでの人気は出ないのはそんな理由も有るのではと思います。
 
 とは言っても、今回のK-POPブームは明らかに、韓国の国策によって、日本側メディアも含め、作られた部分も多く、先日、某NHKでもそのことを特集していました。韓国政府により、国内の音楽や芸術を輸出品として国外に売り込むという政策を行っており、一昨年だけでも約18.8億ドル(約1兆6千億円)もの巨額な金額を投資して、日本も含めた各国に売り込みをかけたようです。

 一方、日本国内を見渡すと、昨年のCD売り上げ、上位10曲は“嵐”AKB48の2グループの独占だったようです。まぁ嵐に関しては、ジャニーズの王道、既定路線な感じで、特に何の感想もないのですが、一方の『AKB』に関しては、これは『秋元マジック』と言いますか、見事に仕掛けを作り、育て上げた結果だと思います。
私が若かりし頃のおニャン子ブームも仕掛け人はこの、秋元康です。その当時、空白時間だった夕方の時間帯にプロではなく、ほぼ素人の様な女の子を使って、一大ブームを作りました。
その後も、秋本氏に関しては、様々な仕掛けに関わり、ブームの陰に秋本ありと言われる存在に成っていきました。
 
 この“AKB”は当初、『会いに行けるアイドル』というコンセプトで誕生し、秋葉原の劇場で身近に応援出来、行けば会えるという、今迄のアイドルには無いコンセプトで誕生しました。テレビの中の遠い存在ではない、自分が応援することで育てるという、秋葉原『育てゲー(シミュレーションゲーム)』の世界と言いますか、ゲーム感覚が現代の若者の感覚とマッチしたのだと思います。         
 これも秋本氏の戦略の一つであり、秋本氏の中には常に、時代の雰囲気やターゲットとする世代のニーズを的確に掴んでおり、その中に必ず、『遊び心』がエッセンスとして含まれているのが、凄いところだと思います。
 もう一つ言えるのは、先程の韓国の“KARA、少女時代”とは対照的と言いますか、韓国アーチストが歌もダンスも完成品とするなら、このAKBは未完成品を育てていく楽しさ、未完成の危うさと自分たちの手で世に出していくと言った満足感も同時にゲーム世代の層に浸透していった背景でないかと思います。
 
 話しはコロッと変わりますが、ブームということで言えば操体法も実はブームと言いますか、世に出たきっかけはテレビでした。昭和51年にNHK『温古堂診療室』と題したドキュメンタリー番組が放送されました。内容としては橋本敬三先生が当時の温古堂で行われていた治療を紹介し、操体法の考え方も含めて収録され、放送当時、大きな反響を呼びました(DVD 操体法 橋本敬三の世界として発売)。
その当時は日本全国から評判を聞きつけて患者さんがやってこられ、トンでもない忙しさだったそうです。
 テレビで取り上げられるというのは一番手っ取り早い、ブームの仕掛けではあります。ですが、使い方を間違えると、顧客離れを招く恐れも同時に孕んでおり、グルメ番組で取り上げられたがために、それまでのお客さんが来辛くなり、ブームが去った時には、全てを失ったというお店を以前、紹介していた番組が有りました。
これでは本末転倒であり、一過性ではない継続的顧客作りこそが、本来の有るべき姿であり、其処を求めて日々プロデューサーは頭を痛めているのだと思います。
 今後、操体が更に世に出て行くにはどの様な道を通ればよいのかを、日々考えていますが、色々な要素があり、それが解れば教えて欲しい位なのですが、操体に限らず、客観的に考えると、以下の様な感じでしょうか。
広めようとするものが・・・①本物であること②社会性があること③組織化されていること④教育機関があることなどでしょうか。なかなか、難しい答えでもありますが、少しずつですがフォーラムに関してはこれらの条件をクリアするため、一歩ずつ歩んでいると確信しています。
 幸いなことに、4月29日に行われる、第二回東京操体フォーラム分科会のゲスト講演に新田和長氏をお迎え致します。新田氏はレコード会社、株式会社ドリーミュージック取締役エグゼクティブ・プロデューサーとして現在、ご活躍されていらっしゃいます。
新田氏に関して略歴を書こうとすると、日本のミュージックシーンの歴史を辿る位の大物アーチストの名前がたくさん出てきます。
オフコース甲斐バンド長渕剛稲垣潤一、The Yellow Monkeys、斉藤和義などなど、あげたらキリのない位のビッグネームばかりです。
現在は加山雄三、森山良子、平原綾香などのプロデュースを行い、昨年末のでは加山雄三平原綾香FUNKY MONKEY BABYSといった三組の歌手を会社として送り出していらっしゃいます。
畑は違いますが、プロデュースという立場から、どの様なお話が聞けるのかが今からとても楽しみです!きっと、何か素晴らしいヒントが貰えるものと確信しています。私達、東京操体フォーラムは臨床家として、そして指導者として今後、人をプロデュースする立場となっていきますが、今回のご講演は、普段は企業経営者の方達でないと聞けない様な話しが聞けると思いますので、未だ申し込んでいない方は是非!必見です。

福田勇治


2011年東京操体フォーラム分科会は4月29日に千駄ヶ谷津田ホールにて行います。http://www.tokyo-sotai.com/

2011年2月から足趾の操法集中講座を開始します。


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