毎回、年末年始には実家のある秋田に帰省するのですが
今回は妻のお腹に赤ちゃんがいるので、
長距離の移動は控え横浜で過ごしました。
(秋田へは新幹線こまちを使いますが在来線の線路を使ううえ、
雪が降ると途中運行休止状態になり、この時期は4〜6時間
かかることがあります)
いつもは大晦日、正月といえば家族で秋田の郷土料理である
きりたんぽやハタハタにあずかれるのですが、
今回は食べられないだろうなあと思っていた矢先に、
実家からハタハタが送られてきました。
ハタハタは煮たり、焼いたり、お寿司にしたり、しょっつる鍋に
して食べるのが一般的ですが、実家では自分の家で麹につけたり、
寿司づけにしたりして食べます。
ハタハタは秋田では冬を代表する魚で、別名カミナリウオとも呼ばれます。
雷が鳴る冬の時期に多く獲れるので雷の音「ハタハタ」が名前の由来に
なっているそうですが、冬の貴重なタンパク源として昔からハタハタを使った
保存食が発展してきました。
私は小さい頃から食べていましたので、私の体の一部はハタハタによって
作られているかもしれません。(感謝)
今回もブリコ(ハタハタの卵で外の皮は弾力がありブチブチ弾けます。
慣れないとゴムを食べているようだという人も)を噛み締める度に、
食べ物を食すということはただ栄養を摂取するだけではなく、
それに付随する記憶や思いといったものをからだに取り入れているのだなあと
しみじみ思いました。
ハタハタ料理は私にとっては家庭の味でもあり、郷土の味でもあります。
秋田という雪深い、寒さの厳しい土地柄でどうすれば冬を過ごしていくことが
出来るのかと先人たちが知恵をしぼってきました。
そのひとつの形が郷土料理だと思います。
スーパーやコンビニが出来て一年中食べたいものが手に入る世の中は
それはそれでありがたいことなのですが。
操体では「食」は人に代わってもらうことが出来ない自己最小限責任生活の
うちの一つです。
「身土不二という言葉はやはり真理だと思う。食にも原則があり作法が成立つ。
古い伝統をもった郷土食ということは新しいこの角度から再認識する
必要があるのではないか。」
と橋本先生の本の中にもあります。
自分の生きている、または生きてきた地域の郷土料理について
考えてみるのも「食」を捉えるうえで面白いかもしれません。
今日はこのへんで。
ありがとうございます。