おはようございます。
今回のブログのテーマが「上手い下手」だと聞いた時、まず思い浮かんだのが「生き方上手」という言葉でした。
この生き方上手という言葉から、誰もが思い浮かべるのが、医師の日野原重明先生の書いた「生き方上手」という本のタイトルではないかと思います。ベストセラーだったですものね。発刊から、もう15年ぐらい経つんですね。当時はどこの書店にいっても、入ってすぐのところに、健やかな微笑みをうかべた日野原先生の写真が表紙となった、この本がズラッと並んでいたものでした。
その「生き方上手」という本の中にこんなことが書いてありました。
【 あなたの置かれている環境や状況はそのときどきに変わります。その変化に自分を上手に適応できることは、健康であることの一つの証です。健康はつねに変わらない状態を言うのではなく、個々人にその対応が任された、応用自在なものであるべきなのです。
きのうのあなたと今日のあなたがちがうように、健康もあなたとともに姿を変えます。環境の変化を読む熟練した舵取りは、医師ではなく、あなたのことを一番よく知っているあなたが取るべきだということを忘れないでください。 】
さすが、その道に精通し、達観した方の言葉だと感じます。
この本が発刊された当時、私はまだ操体の門下に入っていたわけではなく、まだ症状疾患に対する治療法を色々と探っていた「オレがオレ我」の頃だったので、不覚にもこの言葉はあまり響かず、見過ごしていました。
しかし、今読み返してみると、ピンピンにヒビクものがあります。医師であった、操体の創始者、橋本敬三先生が生涯をとおして提唱してきたものとも共通するものを感じます。
やはり、何事も上手くなるには健康という土台が必要なのだと思います、その健康とは単に体力が勝っているとか、内科的数値とか、そういう事で測るものではありません。数値はあくまで目安であって、からだのバランスとか心の問題とかを含めれば、必ずしも個々の数値が良いのが健康とは言えないのです。
突き詰めれば、環境に適応する為の変化が出来るという事。その環境も、からだのことを想えば、まずは自然環境という事。人為、社会的環境ばかりに振り回されて、あっちに良い顔、こっちにも良い顔と変化することではありません。それでは疲れてしまうし、信用もなくなっていきます。
自然環境へ順応する。これは自分自身でやっていくしかない。健康は自分の責任でもあるのです。この責任というのは、堅苦しいものではなく、やればやっただけ善くなるという事で、その為に自然法則(快へ向く)が自在するのです。
橋本敬三先生は、健康増進の論理と題した論文の中で、このようなことを書いています。
【 生命体が自然環境に適応するということ、これは生命の至上命令であるから、この絶対的原理は自然の救いになっているのである。】
自然の救いになっている・・・有り難いですよね。
2016年9月 新創生期操体法特別臨床講座 開講!