今回、春の東京操体フォーラムのテーマは「上手い下手について」でした。
上手い下手というのは、実は「人間が持っているちから」を十分に発揮できるかできないか、ということでもあります。 そして、発揮するためには「コツ」があるということ。
そのコツ、その法則を世界で一番短いお経になぞらえたのが、操体の「身体運動の法則」こと「般若身経」なのです。
改めて思うのですが、これをやっておけば、まず間違いありません。 あらゆるエクササイズの「もと」になるから。
この「コツ」、本来はからだが知っているはずなのですが、今の人間はアタマを使いすぎて、それがちょっと鈍っているようです。
そして「それ」は、「原始感覚」とも言います。 好きか嫌いかききわける、「チカラ」です。
操体の「ミッション」はいくつかあります。 平たく言えば「健康で幸せに生きること」ですが、それを細分化すると、その中には「鈍ってしまった原始感覚を呼び覚ます」ということもあります。
こうなると、上手い下手っていうのは、好きか、嫌いか、になってきそうですね。
ちなみに、操体をやっている人達を見ていると、やはり途中で抜ける人がいます。
中には「卒業」という言い方をする方もいますが、好きなことに「卒業」はありません。
多分、本当に好きではなかったのでは。いわゆる「好き」ではなく「武器」として操体を学んだんですね。
しかし、卒業して別のステップに進むことも、悪い事ではありません。人それぞれなのです。好きなことをやればいいんです。
他に「好き」があれば、そうすればいいんです。
中には「触れる」「動き」にこだわり、そちらに戻る人もいれば、「触れない」「息診・息法」を受け入れる人もいます。
私は占筮もしますが、一番困るのは「彼は私のどこが一番好きなんですか」という質問です。
これ「理由はないけど好き」じゃ、ダメなんでしょうか(笑)。
世の中には「○○フェチ」もいて「彼女の耳の形がたまらない」とか、「足の拇趾がたまらない」というパーツのフェチもいますが、大抵は「何か知らんけど好き」なのだと思います。
一週間ありがとうございました。
明日からは我らの師匠、三浦寛先生です。
畠山裕美
2016年9月 新創生期操体法特別臨床講座 開講!