本当は誰でも「プロ意識」と「プロ根性」は持つことができます。
しかし、大抵は自分でそれを持つことを怖がっているのです。
操体の勉強にしても、私はそういう人をたくさん見てきました。
プロとして、仕事の対価を得るのは、当然です。
これは繰り返し繰り返し、操体界のために、未来永劫言うつもりですが(笑)
2000年に仙台で開催された「全国操体バランス運動研究会」の基調講演で、
ある大学の先生が「操体でお金をもらってはいけない」という話をしました。
その会場には、私や三浦先生を含め、鹿島田先生とか故瓜生先生とか、小崎順子先生とか、故中川重雄先生とか要は「操体で生活が成り立っている」先生方が沢山いました。
つまり、操体のプロです。
大学の先生(大学の先生は大学からお給料が出ますから、操体の臨床をやって
お金を貰わなくてもいいワケです)が、
操体のプロに向かって
「お金をもらっちゃいけない」と言ったのです。
この時は、会場のプロ達からブーイングが起こりました。
瓜生先生とか立ち上がってブーイングしていましたよ。
ワタシもブーイングしました。
そして、橋本敬三先生は医者ですから、患者さんから治療費を頂いて家族を養っていたワケです。
赤ひげ先生に養う家族がいたかどうかは知りません。
また、橋本敬三先生も「いただけるところからはたっぷりいただき、そうでないところからは無理にはいただかない」というセオリーであったと聞いています。
なにも「操体をタダでやれ」と言っているわけではないのです。
これは、プロに対して失礼です。
★実際、自衛官や警察官、公務員などは「無料」にしていたそうですが、「無料」だと
来なかったときいています。
来なかったときいています。
また、その後の長野の全国大会で、エスカレータに乗っていた私と三浦先生の前で、
ある年配の女性が、隣にいる人にむかって「操体はお金をもらっちゃいけないのよ」と言っていてこれまたびっくりしました。
こういう話がどこから出たのかしりませんが、多分、関西地方で盛んな「サークル、教室的な操体」から派生したのではと睨んでいます。
サークルの仲間同志だったら、アマチュアですからお金はとれませんし、お金を貰うと、責任が生じます。
つまり「お金をもらっちゃいけない」という言い分は、「責任を逃れている」のです。
と言っているのと同じです。
「お金をいただく」というのは、プロとして当然のことなのです。
まあ、道で倒れていたりぎっくり腰の人がいたら勿論助けますよ。
ここで、私が先日フォーラム相談役の駒居義基先生のセミナーで教えていただいた、二宮尊徳の名言を書いておきます。
「道徳なき経済は罪悪であり 経済なき道徳は寝言である」
社会通念上やってはいけないことを通じてお金を得るのは、悪である。
ただ、経済がない、つまりお金をしっかりと稼げない状態は、議論として成立しない。ということです。
ただ、経済がない、つまりお金をしっかりと稼げない状態は、議論として成立しない。ということです。
プロに向かって「操体でお金をもらっちゃいけない」というのは、「責任逃れの寝言」ということなのです。