いつもながら私自身のことを語れば、五十数年前、チャリンコに乗った一人の初老の紳士に出会ったことが、この道に入った、きっかけである。
その紳士が、たまたま医師であったこと、そこで学んだことが操体であっただけのことである。
たまたまそうであった、だけなのだが、しかし、生まれて初めて学ぶことの愉しさを知ったのである。
こんな愉しい学問の世界があったのかという思いである。
人がどう思おうが、まわりがどう思うが、私にとって、とてもありがたい学びであった。
それは生涯学んでいけそうだという、希望をつかんだといっていい。