人は生まれたときに既に反射のレベルで「歩く」動作に合致した足の動かし方を身に付けている。
生まれて間もない赤ちゃんを脇の下を抱え、床に立たせるようにする。
足裏を床に接触させ、体幹の軸を少しだけ前に傾けてやると、赤ちゃんは、ちょうど歩くように自然に足を動かしだす。
この現象を、「オートマチックウォーキング」という。
このことは、脳・脊髄の様々な進化や変化に、大きなつながりとなっている。
ところが、自分で立って歩くようになるのに1年以上もかかる。
そして、大人と同じように歩いたり走ったりするには更に何年もかかる。
故に大脳新皮質は発達し、終生に渡って神経組織の成長を継続できる。
脳脊髄液は循環し、老廃物を排出していれば新たな循環により、再生もする。
循環させておくには、姿勢制御は自然でないと再生も滞りやすくなる。
立つならば、律することが基本にある。
自然の中に、自然体は成立し、立てば歩く。
(続く)