東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

自転車自然体

こんにちは森田です。

今朝は窓越しの強い日差しで目覚めました。

どうやら東京は昨日、北九州〜東海地方よりを飛び越しての梅雨明けなのだそうです。

今年も猛暑なのか、気になります。エルニーニョ現象も予測されている様子です。

そういえばJR浜松町駅ホームのしょんべん小僧(58才、趣味はコスプレ…だそうです)は半月前から夏の装いでしたよ。

  

靴もなかなかかわいい。

作成は港区の手芸サークルあじさいで、毎月26日に着せかえられているらしいです。
浜松町駅100周年記念イベントで彼の今までの写真展が開催されてます。

http://www.minato-cosw.net/syakyou/index.php


ところで、そんな暑い中、今日もえっちらおっちら自転車をこいで仕事にいったわけなのですが、眩しい日差しから視線を避け、うつむくと、自分の両足が目に入りました。そして「あれ?」と思いました。なぜなら私の右足が極端に外転してこいでいたからです。

からだの使い方には般若身経というルールがあります、重心安定の法則と重心移動の法則です。これを守ればどんな状況でももっともからだを効率よく、安全で、美しくからだを運ぶことが出来ます。
操体の経験者にはもう聞き慣れている言葉ですが、このうちの重心安定の法則は

1.足は腰幅 に開く
2.つま先と踵は平行にした後、きき手と反対の足は半歩前&少し内側にむける
(出したら軽く骨盤を安定する位置におさめる)
3.背筋は軽く伸ばし 、目線は目の高さ、正面の一点を見据える
4.両膝の力をほっ、と抜いて緩める。拇趾の付け根あたりに体重がかかる

でしたね。

そのうちわたしの自転車の乗り方は、2と4ができていなかったようです。

2はつま先の向きがおかしかったですし、3はペダルにのせている足の位置が少々土踏まず寄りでした。母趾の付け根を効かすことができない。
まあ、サドルにまたがっていると股関節が少々開きますから足を平行にしきらないこともありましょうが、それにしたって、左右で比べて、右足が外側に開き過ぎ! そして、こぐ時に最も力が入るはずの母趾でペダルを踏めていなかったです。
というわけで、ルールにのっとって、しばらく足をできるだけ平行、左右対称にしてみようとするのですが、つま先だけ内転させようとしてもなんだかぎこちない。

多分右足関節をはじめ、からだに歪みがあるからだと思います。歪みのある状態で無理をして「足は平行!!」と型にはめると、さらに2次的に歪みを押し付けてしまいそう。
なので、ペダルに母趾球をのせ、「手は小ユビ、足は親ユビ」のルールにのっとって、左右両母趾の付け根を効かせてこいでみました。
そうすると、右下肢関節の歪みはあれど、あるなりにからだが自然に使えるようになります。
ひとこぎひとこぎ、スイ〜、スイ〜と前進するのですね。やっぱりちがいますわ。


臨床では歪みの強いからだの人もたくさんいらっしゃいます。というか、それで苦労しているから操体を受けにいらっしゃるのですよね。「はい!足は平行じゃなきゃだめですよ!」というニュアンスで自然体を教えてやしないか、あらためて気をつけようと思いました。


ちなみに、自転車の乗り方についての専門書をみると、
ペダルに足をかける位置は親指の付け根(母指球)で、サドルの位置の設定をする時は、またがってみて、ペダルにかかとをのせ、足を一番のばした状態で膝がぴーんと伸びるところなんだそうです。
そうすると母指球で最も踏み込んだ時でも膝は軽く曲がっている。
重心安定でいうところの「膝は緩める」にあたるのではないでしょうか。
自転車を効率よく(パフォーマンス性を高める)、安全性に乗るときも、からだの使い方は共通です。

私も今回のことで、般若身経をより理解して自転車の乗り方をマスターできそうです。

それまで、立位、歩行時など自然体を意識していたつもりでしたが、ウン十年続けたからだの使い方の癖は、こんなところでボロが出てしまうのでした。
自転車に乗る時の重心安定の法則はどうなんだろう。
また発見があったら報告します。



森田珠水