東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

先天性股関節脱臼のひろさん2

からだが横にびくっ、びくびくっと、動き出したのです。

「おお、動き始めましたねー、止めないようにして味わって
いてくださいよ〜」
「おもしろいでしょう、気持ちよさがスイッチになって、
からだが自分で調整を始めるんですね〜」

するとどんどん大きく痙攣するかのように動き出しました。
どんな動きをするのか予想はできません。

「横揺れですね〜」私は軽く皮膚に触れながらそういいました。

はるちゃんは椅子に腰掛けて
「私はもっとすごかったですよねー」と、
それを見て少し笑っています。

「そうでしたねー」

「これ、知らない人が見たら異様な世界ですよね〜」と私。

びくびく動きながら不思議そうな顔で少し笑うひろさん。
ひろさんのからだはおもいっきり低周波の電気でもかけられて
いるような感じで動きつづけています。

「からだってすごいですよねー、こんな風にして自分で自分の
バランスを整えるんですからねー」

「はい」びくびく動きながら答えるひろさん。

「調整が終わるとこの動きも自然に止まりますから、しっかり
味わっていてくださいねー」

「この動きは気持ちがいいですか?」

「はい、なんかいい感じです」

「やっぱりねー、味わっていてくださいねー」

五分くらいびくびく動いたでしょうか、少しずつ振動が
収まってきてぴたりと止まりました。

私は触れている手をそっと離して「不思議ですよねー」
と言いました。

次に私は足の方に行き、足裏の皮膚の操法にとりかかります。

つづく