東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

 「赤ちゃんはなめらか、ゆっくりの天才」


 関東は久しぶりの快晴でした。
皆様ゴールデンウィーク、いかがお過ごしでしょうか。


本門寺の猫は今日もふくふくしております


 昨日は4/25に出産した友人をお見舞いに行きました。
高校時代の同級生なので、年齢的にも大変だったはずです。
聞けば、陣痛が始まってから出産まで24時間かかり、その経験はまさに「文化部の生徒がいきなり体育会の合宿に入れられた」ようだったそうです。
苦労話は沢山あるようですが、とにかく無事にこの日を迎えてくれて安心しました。
うれしいです。

 赤ちゃんはこの世に生を受けて4日目。
私はまだ「しわしわこざる」かなと思っていましたが、顔はちっちゃいのにパーツの大きい、すっきりハッキリした顔立ちの美男子(驚)。
お母さんにもお父さんにも各所が似ていますが、特に目の表情がお父さんを彷彿させます。遺伝子の不思議を感じました。
なんでも一日ごと、数時間ごとに顔も表情も変わるそうで、見ていて飽きないらしい。

出産見舞いのお約束で、足趾の操法をし脇のくすぐり(赤ちゃんは脇をくすぐるとからだが整うのです)の話をしていると、赤子がぐずりはじめました。
相方が抱っこしてゆりかごのように揺らしていると、
「ね、眠たいんだけど、誰? この人見たことない…」と言いたげに、じーっと見ながらうとうと(笑)。
かわいるぎる〜。かわいんだけど、時々眉間にしわが寄ったり、白目向いたりの変顔に3人爆笑。

笑いながらも、その微妙な表情の変化には素直に感心しました。ある表情から次の表情に移るまでの流れがゆっくりでなめらかなこと。筋繊維の、いや細胞の一つ一つがちゃんと働いているようです。微妙な動きは、からだのすみからすみへきれいに連動できているのでしょう。

 思い出すのは三浦先生、畠山先生と同じ日にポートレイト撮影をしていただいた時のこと。わたしはやわらかい笑顔を表現するのに緊張しすぎて苦心したのです。プロのカメラマンのさすがの誘導で、今まで一番いい感じに撮っていただきましたけれども、この日にみた赤子の表情のこのなめらかな動き!!これができたらもっとビューチフルに写ったかもしれないのです。

赤ちゃんは動きの天才ですな〜。みている大人側もゆったりした波動が共鳴して、なんだか幸せな気分に。

私もこの頃にはこんな表情をしていたはずなのに、オトナになると何故できなくなるんでしょう。いや、顔の表号は、意識して表現しようとすればれば、きっと取り戻せるはずです。

周りの大人を見て「こんなに細かい表情筋を使っている人がいるだろうか」と考えたのですが、…いらっしゃいました! 我がフォーラム相談役の巻上公一さん!
 
 先日の「ヴォイスの奇跡」と題したヴォイスパフォーマンスのイベントでも、トークライブで田口ランディさんに「いつも変顔している変な人」と評されてました(もちろん面白い人の意味で、そういうツッコミができるほど仲良しなのだそうです)。
確かに巻上さんは、ライブなどで「表情筋はいくつあるの?」という細かい動き(そして変顔)をされています。声帯は手足の末端(遠位)、顔の表情筋(近位)とも、からだ全てとつながっているので、隅々まで使うということは、声量も表現も向上します。
私も巻上さんのワークショップに参加していた頃は、もっと顔が柔らかく使えたことを思い出しました…。
 人の表情も声も数えきれない程の表情がグラデーションであるのを気づかせてくださいます。巻上さんグラデーションさ加減を見たい、そして自分の声、顔、からだを開発したい!と思ったあなた、こちらをおススメします。

巻上公一ヴォイスパフォーマンス講座
http://www.mothership.info/makigami.html


昨日の赤ちゃんの表情のように、ほわあ〜っと、ふわ〜っと、動けるようになりたいです。これが動診の時にできるようにすべし、とイメージを刻みました。
もちろん、普段の動きも、からだを壊さず、きっと美しく表現できるはず。

この次写真を撮られる時にどれほど向上しているのか楽しみです。


森田珠水