東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

幸福論


本当のしあわせは目に映らずに

案外傍にあって気付かずにいたのですが

かじかむ指の求めるものが見慣れたその手だったと知って

あたしは君のメロディーやその

哲学や言葉全てを

守る為なら少し位する苦労もいとはないのです。

        椎名林檎 『幸福論』より

何故か今頃になってこの『幸福論』というタイトルが気になって久しぶりにCDを引っ張りだしてみました。この曲は私が上京してすぐの1998年に発売された。福岡出身のミュージシャン椎名林檎のデビュー曲の歌詞の一部です。右も左もわからない東京の街をMDウォークマンでこの曲を流しながら歩き回っていた頃を懐かしく思います。

以前読んだ新聞記事で『日本人の幸福度は10満点中の6.5点』という記事が掲載されていました。この数字を高いと見るか低いとみるかは難しいところですが
操体法創始者の橋本敬三先生は「人間は60点くらいが丁度良い。」とおっしゃられているので日本人はぼちぼち間に合っていると言うところでしょうか。しかしこの『幸福か否か』というのは快適感覚と一緒で比較対称してききわけられるものじゃなさそうです。

周りの人と比べてしまうと、あの家のテレビは我が家のテレビより大きいとか、隣の家のパパは我が家のパパよりイケメンだとか、○○ちゃんの家はゴールデンウィーク東京ディズニーランドに行って来たらしいとか、やっぱり隣の芝生は青く見えるものですから、上の歌詞にもある様に、自分の傍にある幸せってヤツをききわけられる人こそが本当に幸せに暮らしていられる人なのかも知れません。

私は操体を学ばせて頂いている中で、快適感覚は他の誰かから与えられるものではなくて自分自身のからだの中にある気持ちの良さをききわけることによって得られるものだと云う事に気付かせて頂きました。操法中、気持ちの良さを味わっている時間と言うのは本当に幸せを感じられます。

私のこの手を通じて、自分の中にある気持ちの良さの存在に気付いて頂ける方を増やしていける様に日々の臨床に励んでいきたいと思っています。

写真は最近始めた朝の散歩中に撮った朝日です。
凄く天気が良い日にのんびり海岸を散歩するのも
僕の幸せを感じる時間です。


秋穂一雄