東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

『からだフェチ』

今日も春の日差しの暖かな福岡から4日目のブログ
を発信したいと思います。宜しくお願いいたします。

僕はひとのからだを見るのが好きだ。
これは職業柄なのだろうとは思うのであるが
からだのどこか一部分のパーツが大好きというよりも
頭のてっぺんから足のさきっちょまで
そして全体の醸し出す雰囲気を感じる事が面白い。
男性女性という性差が作り出すパーツの差はあっても
なんでひとのからだって個々に特徴があるのだろう。
車であれば同じパーツを組み合わせていけば
必ず同じ形で同じ性能の車が完成するはずなのに
何故ひとのからだって同じパーツがついているのに
全く異なる人格や外見になって来るのだろう。
橋本先生は『からだの設計にミスはない』と書かれている。
間違いなくそれは真理だと思う。
本来ひとのからだってどんな芸術作品にも負けないくらいに
美しいものなのではないかと思う。
赤ん坊のからだって本当に美しいと思う。
西洋絵画の天使の姿そのものだ。
でも痛みを抱えておられる方のからだに触れさせて頂くと
お世辞にも芸術作品と呼べる代物ではない気がする。
やはり成長していく過程で歪ませてしまうのであろう。
最高の芸術作品を歪ませてしまう悪党が
事故最小限責任生活必須条件と呼ばれる
呼吸・食事・運動・想念そしてそれらを取り巻く環境の
バランスの崩れである。
言い換えると、これらのバランスが取れた
生活を営む事が出来れば天然自然の美しさをもって
一生涯を過ごす事が出来るのであろう。
自らの行いによってゆがめてしまったからだを
外から手を加えて美しくしようとしても
限界があるのは当然であろう。
僕たちの仕事はその歪んでしまった芸術作品を
修復するお手伝いをしているんだな。
せっかくみるのだったらもう荒れ果てたからだより
見るもの全てがうっとりする様なからだをみていたい。
やっぱりひとのからだは一日中見ていても見飽きることはない。


秋穂一雄