東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

血の匂い

3月11日の東北・関東大震災で2万人以上の方々が亡くなられました。この方々には温かいご家族、ご友人がおられた事でしょう。それを何故・・・・・何とも惨い自然の仕打ちです。ただただ、亡くなられた方々の魂が静まり新たなる門出となることをお祈りするばかりです。
また、被災された方々の一刻も早い復興をお祈りいたします。

私が今できること・・・立ち止まり、今までの生活を見直すこと・・・日本が復興するため自身で出来ること、出来ないことを見極めること・・・



これから今週のブログのテーマに入っていきます。先週は、感性豊かな小代田実行委員の瑞々しい文章でしたが、
私はどうなることやら・・・・
私は、書くのが遅いため、20日前から書き始めています。そのことを少し考慮していただければ有難いです。ではスタート!

性に関してのブログ・・・・実にこまりました。離婚してから、11年。
性生活がなされていない私・・・・そこで、性を語る。
いや、それだからこそ、過去の失敗を含めてあらためて問い直す必要があるようです。
手探りの状態から少しずつ始めたいと思います。

性を考える時、どうも血の匂いがしてしまいます。
とまあ〜・・・・始めてみましょうか・・・・

そこで、血・・チの語源から調べてみたいのですが、日本語自体が言語学者の方々でも、諸説唱えられておられるミステリアスな言語。私のような門外漢は標識のない砂漠を前に呆然とするだけ・・・・

そこで、梅原猛氏の直感からきた文章をたよりにしたいと思います。
「縄文語がもともと日本列島にあって、それにウラル・アルタイ系の言語だと思いますが、ウラル・アルタイ系の渡来人の言語に影響されて和語ができた。
ところが、この和語は土着語の影響が強いわけです。また一方、縄文語があまりほかの言語の影響を受けずに小進化したのがアイヌ語である。そして和語がまた小進化して現代日本語になった。」
この説だと、縄文語を幹に弥生人がもたらしたウラル・アルタイ系の言葉を挿し木したものの、幹の性格をよく残したのが、アイヌ語。二つの性格をかねそなえて成長したのが現代日本語となります。
いづれにしても、日本語・日本人の深層を考える場合、縄文語・アイヌ語が重要になってきます。

このことを踏まえて、あらためてチについて調べてみました。
「古形としてツ(血)が考えられる。身体内から出る液体として、チ・ツ(血)、チ(乳)、ツ(唾)に共通したtを認めることができるので、これらを同源とみることができる。
また、血・乳とも、人(子供)・生命にとっての重要な生命力の源であるからそれを、さらにチ(霊)と同源とみなすここも可能であろう。」
とありますが、もっとも大事であろうと思われるチ=霊がよくわかりません。タマシイ→シイ→チなのでしょうか?また、チは地・大地とも通じると私は思います。
いずれにしても、この語源からチが性と関係がありそうな予感を受けます。

さてそこで、以前のブログで千島学説に触れましたが、もう一度この千島学説を考えてみたいと思うのです。
なによ、今さら・・・とお思いでしょうが、もうしばらくお付き合いのほどお願いいたします。

千島喜久男医学博士(1899〜1978)はノーベル賞の医学生理学部門の候補として、ノミネートされたことがあるにも拘わらず、その説が従来の説を蹂躙してしまうためか、当時だれ一人として、追試する研究者がでず、その正しさを認めてもらえませんでした。その後、森下敬一氏が追試実験を行い、その正しさを主張したものの、学会からは無視されました。
その後、酒向猛氏(2011年現在:セント・マーガレット病院医師)によってその真理は確認されています。私は酒向先生の講演を聴講しその誠実さに触れる事ができました。

この千島学説には八大原理がありますが、そのなかの第一原理と第五原理を簡単に紹介いたします。
【第一原理】赤血球分化説
赤血球は酸素を運ぶ為だけに分化した細胞ではなく、あらゆる細胞に分化する母体となる細胞である。赤血球から白血球やリンパ球が分化し、白血球やリンパ球から体の全ての細胞に分化してゆく。

【第五原理】腸造血説
赤血球は骨髄で造られるのではなく、生命力に富んだ食物が腸の絨毛で変化してできた物であり、腸こそが造血臓器である。

この二つの原理から、「食べたものが血となり、肉となる」というごく当たり前の真理が見えてきます。

【第五原理】腸造血説において、小腸内で食べ物が無構造な有機物の塊(これをモネラと呼びます)を形成し、このモネラから小腸絨毛上皮細胞が発生し、小腸絨毛上皮細胞から小さい赤血球をいくつか孕んだ赤血球母細胞が新生し赤血球が造血されるとしています。
つまり、腸は生きた食物の細胞の生命体が動物の生きた細胞に変化する細胞新生の場と考えられます。
【第一原理】赤血球分化説は、千島先生著「血液と健康の知恵」p31を抜粋いたします。
「これまでの研究者は鶏の胚子の生殖腺(睾丸・卵巣)の組織発生についての研究は、みんな胚子のウォルフ氏体(中腎)と附着している生殖腺を切り離して顕微鏡検査をしていたが、私はそれを切り離さずに中腎と生殖腺とを一体にして標本を作り、それを調べたところ中腎と生殖腺の出来始めのものは両者の境がなく連続的であり、しかもその境の附近には血管外に出た赤血球が無数に散在していて、それが原始生殖細胞や生殖腺の凡ての細胞に分化、移行していることを確かめることができた。
これまでは、生殖細胞は分裂増殖して、子々孫々に伝わるものとされてきたのに、事実はこれに反し、体細胞の一種である赤血球から生殖細胞その他へ移り変わっている状態を見た私は、始めは呆然として、自分の眼や頭を疑うほどのショックを受けた。しかし、何百枚ものプレパレートを入念に調べてみたが、細胞分裂によるのではなく、赤血球から変化するものであることを確認した。」

これが、世紀の大発見でまさしく真理だと思います。

生殖細胞細胞分裂ではなく、赤血球から子々孫々と伝わるということなのです。

ここで、やっと性と血のつながりが真理のカガミを通して見えてきたように思います・・・・今日は、この辺で、失礼いたします。
明日は、この続き・・・・それでは、ごきげんよう!
ありがとうございました。


佐伯惟弘


参考文献
血液と健康の知恵 千島喜久男著 地湧社
癌を克服するために 酒向猛著
日本の深層 梅原猛著 小学館