東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

『私にとって操体は宝の地図である6』

私は怖がりで弱虫だ。これにかけては自信がある。苦しみや悲しみ、恐れや怒り、貧困や飢餓など生きるための苦悩から逃れるすべを探している。操体をやっていればこれらの苦悩から解放されるのかと云うと勿論そんな簡単な話ではないのであるが橋本敬三医師は「この世は極楽だ。」と書き残しておられる。私などまだこの世に生を受けて40年にも満たない若輩者であるから私の倍以上の人生を全うされた先人の言葉を疑う余地などありはしない。極楽に生きていられるのに、苦悩を感じているのは自分自身の生き方に何か問題があるのに違いない。問題があるということは私の生き方が自然法則に反しているということだ。操体はこの生き方の自然法則を私たちのからだを通して実感させてくれる。先程も書いたが私は臆病者の弱虫なので、健康的に平和に、安心して、幸せに暮らせるように自然法則に則って生きていくために操体という生き方を選択しているのかもしれない。良く患者さんや、知人から「先生は健康のために何かやっとーとー?」ときかれることがある。特別にやっているということはないが、操体から離れないように意識し続けていること自体が最上級の健康法でもあるので、大概はそこから操体の説明が始まってゆく。操体の話をして興味を持つ人、持たない人様々だが、その中の一握りでも興味を持ってくれると嬉しい。どんな免許や学問でもそうだが、免許を取った、試験に合格したといってそれ自体には大した意味はない。一生懸命試験勉強をしましたという栄誉が貰えるくらいであるが、その免許や資格を使って実践していくことによって初めて意味がでる。臨床で使うもよし、自分自身の健康管理に使うもよしいつも私の一番近くに操体がいる。それだけでも少し安心できる気がする。やはり怖がりの私にとっては生活必需品に間違いない。