東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

自分にとって操体とは。・・・まずは、やってみること。


おはようございます。
立春をすぎて、かれこれ一週間経ちますが、昼の日差しは幾分暖かくなっても、朝はまだまだ冷えますね。
朝、雑巾がけをした後は、思わずストーブのところに行き、背中を丸め、ハエが手を擦る足を擦る状態になってしまいます。そして、手を擦り擦りしている自分のからだの状態を、感覚をとおして、知らず知らずに、ききわけている自分がいます。
「うん?今日は随分と肩甲骨と背中が、かみ合っている感じがするなぁ」
「う〜ん、いいじゃないか」
「擦り擦りする手をもう少し、小指側側を利かせてみようか」
「おっ、そうするともっと母趾球に重心がかかっている感じがききわけられる」
「うん、いいんでないかい」
こんな感じで、毎日からだと向き合っています。そして、この後は、般若身経を行うことになる。

朝は良い。朝は有り難い気持ちで、からだと向き合える。何故なら、夜寝ている間に、からだが色々と調整してくれているからだ。その、からだの無意識による、有り難い働きを実感するには朝が良い。
 このところパソコンに向かって作業することが多かったせいか、昨晩あたりは目が充血し、首のつけねが痛かったが、今朝には目の充血も、首の痛みもなくなっていた。寝ている間に、からだが賢命に全体を調和させながら、ストレスを生じさせている箇所を、修復してくれたお陰だ。有り難いと感じる。自分だけで生きている訳ではないのだ。からだの無意識の有り難い働きにも生かされて、そして生きている。 その、からだの無意識をより活性化させるのは「快」なのだ。つまり「気持ちよさ」。
橋本敬三先生はNHKラジオ放送に出演した時『「想う」ってのは、気持ちのいいことを想えばいい。厭なことは想いたくないですよ。だから一番気持ちのいいことを考えればいいんで、一番気持ちのいいことは、やっぱり有り難いって思ったときじゃないですか』と仰っている。
夜寝る前に、その日一日、自分に付き合ってくれた、からだに対して感謝の念が湧いたなら、素直に「有り難う御座いました」と感謝の言葉をとおしてあげれば良いと思う。そうすれば、からだも気持ちが良いのだ。気持ちの良い言葉で、心とからだが調和してくれば、からだはより活性化して、調和へと向かう。否定してはいけない。翌朝、思うような効果が感じられなくとも肯定して、満足すること。想いが我欲を多分に含んでいれば、どんなにからだが尽くしてくれていても、決して満足は得られない。からだが生かしてくれている、ということは紛れもない事実だ。結果よりもまずは、やってみること。
 操体とは、まずは「やってみること」。そして、からだで体感すること、からだから学ぶこと、だと思う。これは、自分の健康管理、自己生成という面だけではなく、臨床にもつうじることだ。何故、操体は臨床効果が高いかといえば、被験者自身がやってみて、「快」を味わうことにより、からだから学んでいるからだ。単にかたちが整う、刺激でバランスがとれる、のとは訳が違うのだ。まずは「やってみる」。自然法則を識り、それに合わせて「やってみること」。



今回は「自分にとって操体とは」というテーマで、書かせていただきました。
一週間のお付き合い、有り難う御座いました。

来週は中谷さんの担当となります。
来週もどうぞ宜しくお願い致します。



友松 誠。