私が家で育てている植物はウンベラーダです。私はウンベと呼んでいます。二年ほど前から家に置いてあるのですが、夏の時期に枝から芽が出て古い葉っぱが一人でに落ち、新しい芽から葉っぱがたくさん出て、あっという間に大きくなります。
今年はなかなか芽が出てこず、古い葉っぱも全部落ちて心配していましたが、私の心配をよそにしっかりと芽を出しぐんぐんと葉を広げて、現在は元気に12枚の葉っぱをつけています。私があれこれ干渉せずとも(水をあげたり、日光にあてたりはしますが)時がくれば、余計なものを捨てて自分の成長に力を注ぎます。その成長速度には驚かされます。
家で育てているウンベだけではなく野の植物たちも誰かに干渉されずとも芽を出し葉を広げ花を咲かせます。そしていずれは枯れていき自分の「生」を全うします。誰かに見られていようが、見られていまいが関係なく、自分のやるべきことをやったら現象の世界から去っていきます。シンプルで迷いのない生き方です。そこにあるのは自然界の法則のみです。
これはからだにも当てはまると思います。三浦先生は「からだは干渉されたくないんだ」とおっしゃっています。操体には自然の法則がありますから、自然法則を応用・貢献することでちゃんとからだは健康でいられるのです。誰かにからだをいじられなくてもちゃんとうまくいくようになっている。ただ、自然法則から逸脱してしまうと間に合わなくなり、他者の助けを借りなければいけなくなります。だから自然法則を学習し、実践していく必要があるのです。
以下は『引き算の美学』という本の中で紹介されている曹洞宗大本山永平寺の貫首宮崎奕保禅師のお言葉です。
「自然は立派やね。私は日記をつけておるけれども、何月何日に花が咲いた、何月何日に虫が鳴いた。(毎年)ほとんど違わない。規則正しい。そういうのが法だ。法にかなったのが大自然だ。法にかなっておる。だから自然の法則をまねて人間が暮らす。人間の欲望に従っては迷いの世界だ。真理を黙って実行するというのが大自然だ。誰に褒められるということも思わんし、これだけのことをしたらこれだけの報酬がもらえるということもない。時が来たならば、ちゃんと花が咲き、そして黙って、褒められても褒められんでもすべきことをして黙って去ってゆく。そういうのが実行であり教えであり真理だ」
- 作者: 黛 まどか
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