佐助が担当する五日目です。よろしくお願いします。
平衡感覚をつかさどっているのは三半規管の他には、身体の傾きや直線運動を感じる器官として耳石器が働きます。耳石器はたまご型の卵形嚢とボール形の球形嚢からできていて、それぞれリンパ液で満たされています。
耳石器の中には膜があり、その膜の表面には、微細な炭酸カルシウムの結晶が無数にくっついています。この砂のような結晶は、耳石あるいは平衡砂と呼ばれ、また、膜の裏側には感覚細胞が張り巡らされていて、耳石に重力がかかると察知して神経に伝え、その情報をバランス中枢である小脳に送る仕組みになっています。
耳石器内にある二つの膜は、つねに直角を保っています。これによって人がどんな姿勢をとろうとも、耳石器は重力の変化を瞬間的に察知します。その働きによって人は自分の水平、垂直の加速運動や位置感覚を認識できるのです。
三半規管と耳石器の情報により、三次元の空間の平衡感覚をつかさどっていることが分かっていただいたと思います。
三次元の世界をとびだして、宇宙のようにどこが上でどこが下だか分からないような絶えず無重力で回転している状態では、どうなるのでしょうか。
自然科学研究機構生理学研究所からの報告では、クルクルと回転しているようなバーチャル映像による脳の反応を脳磁図(MEG)を用いて調べました結果、脳の中の音への聴覚の反応が過敏になることが明らかになったそうです。
操体法の臨床では、三次元の動きを超えた空間を感じることがありますが、きっとこの時のからだも、三次元を超える平衡感覚の反応が起きているのではないでしょうか。今日はこのあたりで・・・。
ありがとうございました。