東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

〜からだにききわける〜

「よくわかりません」

いいんです。初めのうちは。

ですから、無理に探そうとしないでくださいね。
見つかるものでもないですから。

気を使って、あいまいな言葉を発するよりも正直に教えてください。
「きもちよくなければいけない」というものではありませんから。
今、その瞬間に感じていることを教えてください。

私は青色が好きです。
早朝の仄暗い青色も、抜けるような晴天の青色も、
曇りの日の灰色がかった青色も、日が落ちかかった夕闇の青色も。
一言で青色と言っても様々な表情を見せてくれます。

感覚も一緒です。
一言で感覚と言っても様々です。

操体では「からだにきもちよさがききわけられますか」と動診を通します。
それは「快(きもちよさ)」がからだを治しつけてくれるから。

操体では「からだにきもちよさがききわけられますか」と動診を通します。
「不快ですか、快ですか」と二極対比で聞いたりはしません。
「不快じゃない=快」ではないからです。

操体では「からだにきもちよさがききわけられますか」と動診を通します。
けっして「探してみてください」とは通しません。
いくら探しても、過去の検索履歴の中ではヒットしませんから。

操体では「からだにきもちよさがききわけられますか」と動診を通します。
「からだにきもちよさがみわけられますか」とは通しません。
感覚は目に見えないからです。感覚は声です。響いてくるものです。

「ききわけのいい子」は無垢です。大人の顔色を窺っているわけでは
ありません。素直に耳を傾けます。私たちも昔は子供でした。
大人になった今でもからだは「素直さ」を有しています。
さらに大人の愉しみも享受できるようになりましたが(笑)

ですから素直に「からだにききわけて」みてください。
慌てずに、力まずに、ゆっくりと。

それでも「きもちよさ」がよくわからないときは、今その瞬間に感じている
からだの変化、反応を教えてください。

操体にはバルの戒めという教えがあります。
「頑張るな」、「欲張るな」、「威張るな」、「縛るな」。

「きもちよさ」という言葉が一人歩きして
操体=きもちよくなければいけない」と縛ってしまっては本末転倒です。
「きもちよさ」は縛りではありません。

治療の前には必ず診断が入ります。
「感覚のききわけ」は診断です。
そこでその動きを通すのか、通さないのかを診断しています。

「きもちよさ」がよくわからなければ、まずはからだの変化、反応と
向き合ってみてください。

探す必要はありませんから。きもちよさの回路は徐々に出来てきますから。

橋本敬三師が「きもちよさをからだにききわけさせればいいんだ。
きもちよさでからだは治るんだから」とおっしゃっているんですから。

まるごと受け取るための検証のプロセス。
「楽」から「快」への変化のプロセス。分析法の変化のプロセス。

この進化のプロセスを是非、東京操体フォーラムで味わってみてください。

一週間ありがとうございます。
明日からは感性に響く唸りが持ち味の寺本実行委員です。お愉しみに!

「2014年秋季東京操体フォーラム」 開催決定
今回は11月22日(土)23日(日)の二日間開催いたします。
メインテーマは「操体進化論」です。
特に、22日は場所の都合上、人数が限られておりますので
ご参加希望の場合はお早めにお申し込み下さい。
詳細は以下、「東京操体フォーラムHP」をご確認ください。
http://www.tokyo-sotai.com/?p=813