「陰陽」というと東洋医学の専売特許のような
感じもありますが、操体にも「陰陽」はあります。
細かく証を立てて、それに基づいて治療法を決定したり、
この人は「陽性」、この人は「陰性」というような診方
をするわけではありません(もしかしたら個人的なバックボーンで
そういう診方をされる先生もいらっしゃるかもしれません)。
どちらかというと方法として「陰陽」を用いるのではなく
「からだ」との向き合い方の中に「陰陽」が含まれている
といった方がよいかもしれません。
「変化を変化として受け取る」
これが操体の「診断」だと思っています。
操体には操者がクライアントに直接問う「問診」、
操者が主体となって形態的変化を観察する「触診」、「視診」、
クライアントの「からだ」に問う「動診(感覚分析)」、「極性のききわけ」、
そして空間を介して触れずに問う「息診」があります。
これらの「診断法」を適宜用いて、目の前の「からだ」が
見せてくれている「現象」をまるごと受け取ります。
「陰陽」のはたらきは相互に対立、依存、消長、転化し、常に
変化する「現象」を作り出します。ということは「陰陽」の
はたらきのお陰で診断・治療が可能になるとも言えます。
鍼灸治療を行っていた時とは違った角度から、
今一度「陰陽」を捉え直すと、治療の「やり方」の前の
自分自身の「あり方」が一皮も二皮もむけてくるような
そんな感じがします。
まだまだこれからですけどね。
2015年冬季東京操体フォーラム 12月5日(土)6日(日)二日間開催決定
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