おはようございます。
治すのはからだであり、自分自身が治療者となる。その治しに向く、からだは何を求めているのでしょうか。少なくとも自分の我欲が求めるような、お金とかステータスのようなものは求めていないでしょう。では、どのような求めがあるのでしょうか。
橋本敬三先生は「生命体が自然環境に適応すること、これは生命の至上命令であるから、この絶対原理は自然の救いになっているのである」と著書のなかで書いています。
この生命の至上命令を忠実に実行しているのが、からだなのです。
そして、自然環境に適応する為の自然法則も自在してあるのです。
操者はコンサルタントとして、からだにアプローチする為に、自然法則を識る必要があります。単に頭で知っているだけではなく、からだにききわけた快、不快の識別をとおしての実感が伴うものとして識っている。その実感も自分のからだも変化する中での実感なのですから、常に更新して磨いて進行形で識っている必要があるという事。
その上での、からだへのアプローチ。動くのはクライアントですが、自然法則を識る操者の介助、補助、言葉掛けによって、その動きはクライアントの動きから、クライアントのからだの動きに変わっていきます。そして、からだはバランス制御に向かう。
この時空というのは、本当に気持ちがよいのです。その気持ちのよさをききわけるのは、治療者であるクライアントです。そして、クライアントが、からだの気持ちよさに従い、味わう事で、からだは全体の調和を密にしていきます。相関相補の結びつきも強まり、弱って悲鳴をあげていた箇所も全体の調和の元に回復に向かうでしょう。
クライアントは気持ちよさに従うことで、治療者となり、自ら医療を成立させてしまう。それは自然環境に適応せよと至上命令を発している生命が、そうさせているのではと思えてきます。
本来の心とからだは、一如の生命体として、気持ちよさに従いざるを得ないのだと思います。だから、からだにききわけた気持ちのよさで心も癒される。
気持ちよさ、そこには個の生命体を生かしてくれている大自然という生命のエールがあり、生命を創造した創造主の意志によるメッセージがあるのだと思います。
2017春季東京操体フォーラム4月29日(昭和の日)に開催します!