東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

くいつけなくなる

ここ数年久しく風邪で寝込むことなどなかったが

久しぶりにたっぷり風邪をひいた。

 

普段何気なく行っていることのすべてが

すんなりと思い通りには行かなくなる不思議。

改めて、「当たり前の生活」を送れていることは

とてつもない恩恵であるように感じられる。

 

中でも、「食欲」というものが消えてしまうのが

今回、興味深く新鮮なことに感じられた。

 

普段なら、美味しそうなものを目にすれば

「食べてみたいなあ」と感じるところが、

まったくその「要求」が感じられない。

 

通常、「欲」が作動しているときは「くいつきたい!」と思うことに

「からだの要求感覚」はまったく反応を示さない。

そう、「からだの要求感覚」にスイッチが完全に入れ替わっている、

そんな感覚だ。

 

体調を崩したり、病んだりというのは

そのこと自体が「からだの要求感覚」をダイレクトに感じることができる

学習の場になっているのかもしれない。

 

こんなときは、寝込みながら、普段じっくり会話できていない「からだ」と

たっぷりお話ができる。

そして、いつもの自分の生活態度から強制的に少し離れることもできる。

 

「病む」というのは自分とからだとの関係において

そういった特別な効果もあるのかもしれない。

 
2018年春季東京操体フォーラム
4月30日(月)昭和の日(振替休日)に開催致します。
テーマは「スポーツ障害と操体」です