東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

見直して再生へ。

おはようございます。

 

昨日紹介した橋本敬三先生の「 二宮尊徳は字に書いてない天地の書を読めと教えられたそうだが、これこそ本当の学問であろう 」という文章。

これは、なかなか難解ですが、一つには学問という知識体系になっていないものにこそ、本当に大切な事柄が在るということなのだと思います。

 

実際に古今東西、からだの動きについての文献などなかったですから。運動に関する書籍は多数ありますが……。

からだの動き( 自分で行う運動ではなく )に関する事もそうですが、今の理論体系、知識体系の枠に収まらないものは、価値のないものとして切り捨ててしまう傾向がある。そうした方が合理的なのかもしれない。

しかし、その自分達だけに向いた合理性というのは、自然からしてみれば大いに不自然なものが多いのです。

 

現代医学にしても、画像診断の正確性は年々向上している。しかし、症状疾患をはじめとする様々な不調は、そのフレームの中だけの問題ではない。そのフレームの枠の外にも様々なつながりをもっており、枠の外のバランスの崩れの問題の方が大きい。

 

人間の合理的思考から外れて、切り捨てているものの中には、改めて見直して磨き込む事で、本当に必要なものとして息を吹き返すものが、まだまだあると思います。

 

橋本敬三先生は「 日本は宝の山だ。四方を海に囲まれ、ガラクタも流れてくる。磨けば光り輝くものもある。ヤジ馬ごころで磨いてみたら光だしてきたのが操体法だった。だけど、昔の人達は知っていたはずなんだ。知ってはいたけれど書きしるしたもの(文献)がどこにもない。だから苦労した。だからネ、からだの動き1つとっても、動きが8つきりしかないことがわかったのも、老いぼれてからのことなんだ。とにかく、書きしるされたものがなかった。もう、儂には時間がない…… 」と言い残していたという。

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2019年春季東京操体フォーラムは4月29日の開催です。
テーマは2018年秋に引き続き「身体芸術と操体」です。

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