おはようございます。
昨日は、イワシの群れの集団行動について少し書いたが、個々の魚や鳥が、最低限どのような能力をもっていれば、秩序だった集団行動が可能となるのか。
こうした研究は、私達の細胞などの集団にも当てはまるという。
魚や鳥、私達の細胞の共通点は、自ら動く自己駆動の能力と周囲と相互作用する能力を併せ持っている事。
このような性質を持つものを、総称してアクティブマターと呼ぶのだそう。
アクティブマターでは、それまでバラバラに動いていた個体同士の距離が近くなることで、相互作用が強くなり、一種の相転移が起こるという。
例えば、大腸菌や枯草菌のようなバクテリアを使ったアクティブマターの実験では、バラバラに動き回り無秩序だったバクテリアが、遠心分離機で濃縮状態にすると隣あったバクテリアたちの向きが揃い、全体として不思議な乱流運動が生まれたという。
こうした研究は、もっと細かな物質を構成する粒子にも及び、自分自身で動き回る粒子を、生き物がどのように活用しているのか、生命現象の観察から解明へとつなげられているという。
素晴らしい研究だと思う。
しかし、観点を変えれば、個々の動き、個々の生命現象には、必ず空間が係わっているという事実がある。
空間があっての集団だから様々な相転移のような現象が起きるといえるのではないかと思う。
空間がなくギスギス状態であれば、何も生まれないのだとも感じさせられる。
そして、空間には重力が生じており、この引きつける力は個々の場合では非常に弱く無視できるほどでも、大きな集団になるほど強くなっていくのではないかとも思える。
それを生きものは、どう無意識の内にも活用しているのかといった学びも必要だと思う。