おはようございます。
健康の語源は、健体康心にあるという。
健やかな体とやすらかな心。
健やかな体の、健の字は人偏に建。
この人偏に建の解釈は、人がしっかりした基礎をもつ建物のように、どっしり、揺るがずに立っている状態を示すと解釈する人もいる。
また、人がすっくと立って歩く、すなわち身体を高くたてて行動する原義を、表わしていると解釈する人もいる。
どちらにしても、古の昔から立って行動する事と健康との関連性が考えられていたのは確かだと思う。
立つ姿勢一つとっても、その姿にはそれまでの人生が映しだされているともいう。
また、その姿勢は生きる姿勢や意欲にもつうじるともいわれる。
操体では、昔から自然体(健康体)としてのあるべき姿への問いかけがなされてきた。
その問いかけは、巷でよく言われるような筋力に基づいたものではない。
最小エネルギーで、どれだけ無理や無駄なく立ち、あらゆる動作にも無理なく対応できるような作法の追求。
頑張って立って動くのではなく、生命体として空間と調和し、人間として環境に適応できうる立ち方と行動。
生かされし空間に自在する重力や圧といったものと調和し、からだの正当な使い方が出来、様々な環境にも適応できるようにしていく。
その為には、重心の適正にかない、呼吸の適正にかなう事が必要。
先日に行われた秋季東京操体フォーラムでも、この立ち方について私達の師から濃密な指導をしていただいた。
それだけ、この健康体としてのあるべき姿への問いかけと、その立ち方は重要なのであり、これを身悟りしていかなければ、操体臨床の場で被験者の動きをサポートするのは勿論、指導の質も高められない。
また、基の元をなすもの故に、スポーツ全般、あらゆる武道、諸芸にもつうじるものがあると思う。