おはようございます。
健康とは、身体が丈夫で元気なだけでは、成り立たないのは明らかな事。
「実るほどこうべを垂れる稲穂かな」ではないが、いくら肉体的、身体的に丈夫で元気になっても、その使い道を誤ればバランスを崩してしまう。
精神制御も重要という事。
ふと、宮澤賢治の有名な詩が思い浮かぶ。
「雨にも負けず」
(現代語訳)
雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫なからだを持ち
欲は無く
決して瞋からず
何時も静かに笑っている
一日に玄米四合と味噌と少しの野菜を食べ
あらゆる事を自分を勘定に入れずに
良く見聞きし判り
そして忘れず
野原の松の林の影の小さな萱葺きの小屋に居て
東に病気の子供あれば 行って看病してやり
西に疲れた母あれば 行ってその稲の束を背負い
南に死にそうな人あれば 行って怖がらなくても良いと言い
北に喧嘩や訴訟があれば つまらないからやめろと言い
日照りのときは涙を流し
寒さの夏はオロオロ歩き
皆にデクノボーと呼ばれ
誉められもせず苦にもされず
そういうものにわたしは なりたい
この詩は、宮澤賢治の死後、愛用していたトランクの内ポケットから発見された手帳に記されていたものだという。
公開する目的ではなく、病床にあった宮澤賢治の願いと祈り、それだけでなく戒めも込められた自分宛ての手紙ともいえる言葉の断片。
調和というモノ、コトには、精神制御も必要となるが、精神制御を可能たらしめるのは言葉。
自分を制御して、尚且つバランスの気持ち良さを味わえる状況とする言葉。
そんな言葉を持てるほど、肉体的な不自由さがあっても、健康や幸福にもつながるのではと思う。
一週間のお付き合い、ありがとうございました。
来週は畠山裕美先生の担当となります。
どうぞ、おたのしみに。