東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

日下和夫(くさかかずお)

からだと心をつなぐ調息

「調身・調息・調心」 というものがそれぞれ直接、あるいは間接に繋がっているということは初日から述べてきた。 そして、肉体と精神の間にあり、その両者をつないでいるのが神経系であることもすでに述べた。 この神経組織は精神により密接な繋がりをもって…

心身一体論③

心身一体論が、心からからだへ、からだから心へとなされる伝導と影響がどのようになされるのかということは昨日、記述したとおりである。 こういった心とからだの相互交渉の中で特に関係が深いのが深層心理と、間脳と、自律神経と、内分泌である。 心とから…

心身一体論②

心身一体という理論を、心とからだという通常は大ざっぱに考えられているこの二つの結びつきは、実を云うと非常に複雑微妙な構造をもっている。 そのような心とからだの構造の中には、心ともからだとも云えない部分がいくつもある。 俗に心とからだという両…

心身一体論➀

昨日まで、ととのう(調う)ということを心とからだの調和という内容で話を進めてきたが、本当のことを言うと、心とからだという二つのものに分けることがそもそも間違いなのである。 心とからだは元来一体であって、これを二つに分けるのは、我々がものごと…

自律神経の調和

自律神経は、内臓の働き、血液、リンパ液の循環、ホルモンや酵素の分泌などを司るものであり、まさに生命の根本といえるものだ。 自律神経には、交感神経と副交感神経の二種類があり、この二つがバランスよく興奮することでからだの営みは調ってくる。 また…

緊張感と快適感覚

操体の動診・操法には 「緊張感」 と 「快適感覚」 の調和が存在している。 そして、動診・操法の生命は快適感覚の方にあるので、緊張感は快適感覚の補助といえる。 操体がほかの整体と違って健康療法として段違いの効果を発揮する理由は主としてここにある…

からだの調子と調和

今回は 「ととのう」 というテーマになっている。 「からだを操る療法」 として 「操体」 という側面から見た 「ととのう」 という言葉は、整体や整形外科の文字に使う 「整う(ととのう)」 と表示するものと思いがちだが、実は 「カラダの調子」 とか 「コ…

操体における 「頑張るな」 とは ⑦「体験」

昨日まで、さんざん頑張るな! 頑張るな! と述べてきたわけであるが、我々にとって本当にそのことが理解できるのだろうか。 それはおそらく無理であろう。 では、頑張ることなくそういった知性だけで行動変換が出来得るのだろうか。 いや、それも難しいと言…

操体における 「頑張るな」 とは ⑥「快適感覚」

自然生命の柔らかさやしなやかさを表わすのに、操体では 「きもちよさ」 という言葉を用いている。 このきもちよさという自然生命の感覚は、力み、緊張といったからだのこわばり、つまり頑張ることに対して、ゆったりと心地よいという快適なからだの感覚を意…

操体における 「頑張るな」 とは ⑤「脱力」

頑張ることでからだの一部の筋肉のみが暴走して、全身の関節や筋肉の動き、腕、腰、脚の協調性が乱れてくる。 すると、からだの重心移動や背筋のバランス、足底と地面の接地感覚などが崩れてしまい、まさに地に足が着かない状態になる。 だからといって脱力…

操体における 「頑張るな」 とは ④「力み」

頑張るというのはからだが 「力む」 ということに尽きるが、これは周りをよく観察することや、自分の心身の状況を感じる余裕もなく、ただ目的に向かって猪突猛進していく状態である。 当然、からだは感情や意志に強く影響されるので、強烈な力が出るときもあ…

操体における 「頑張るな」 とは ③「根性主義」

昭和の時代にNHKの朝ドラで 「おしん」 というのをやっていた。 このドラマは、歯を食いしばって堪え忍ぶことを美化したストーリーであるが、この時代は中学、高校のスポーツ系の部活においても、死に物狂いでやれとか、頑張り通せといった 「根性主義」 が…

操体における 「頑張るな」 とは ②「スポーツ」

頑張ることを余儀なくしているのは、一体どのような人だろうか? はじめに思いつくのが西洋から入ってきたスポーツをする人達だ。 それはオリンピックをはじめとする競争性・競技性を重視したからだの動きのことである。 具体的にいうと、ある特定の筋肉を発…

操体における 「頑張るな」 とは ➀「日常動作」

今回のタイトルは操体では馴染の深い 「頑張るな」 とは です。 操体で 「頑張るな」 とは、自分に対して心身に歯を食いしばるような無理な負荷、すなわちストレスをかけるようなことをするな! というからだからのメッセージであると私は受け止めている。 …

操体を初心者に説明する⑦ 「渦状波」

操体には 「渦状波」 という皮膚へアプローチする操法がある。 これは操体操法の手法の一つであり、患者に軽く触れるだけでからだのヒーリングプロセスを大きく加速することができる。 そっと軽く触れるだけで痛みや炎症も軽減し、筋骨格系が整えられていく…

操体を初心者に説明する⑥ 「動診と表現」

操体では、「からだの感覚をききわける」 ということをすでに述べたが、患者自身が治療者であるなら、その感覚診断も患者自身でしなければならない。 疾患を持ったからだは、横紋筋系に収縮異常があると述べたが、そういったボディの歪みは視診や触診という…

操体を初心者に説明する⑤ 「快適感覚と自力自療」

操体の臨床における操者は、呼吸と意識のテクニックを学んで両手の波動を非常に高い周波数に高めている。 そして患者のある部位に触れると、まるで同調した回路のように患者のからだが操者の手に共鳴して同期化していくことになる。 これは快適感覚を誘導す…

操体を初心者に説明する④ 「患者と施術者」

操体では施術者と患者の関係を明確にしておく必要があるとしている。 まず、治療者は誰なのか、ということを最初に理解しておかなければならない。 これは極めて重要なことであり、しっかりと区別することがその前提条件である。 そういった操体における治療…

操体を初心者に説明する③ 「からだの声をきく」

からだの感覚に意識を向けるというのは、英語ではアウェアネス(awareness)と言うが、他にも 「自覚する、知覚する、気づく」 という意味もある。 操体ではまた 「からだの声をきく」 という言い方もするが、これは精神と肉体が一つになったそのからだの声…

操体を初心者に説明する② 「からだの感覚」

特に初心者が操体を学ぶ場合、 いきなり 「操体法」 ではなく、 「操体」 とは何か、を最初に知ることが求められる。 操体の理論は 「快適感覚につきる」 ということを論理的に知ることは勿論、さらにそれを、身をもって体験し、理解する必要がある。 それに…

操体を初心者に説明する➀ 「操体を説明するということは」

今回のタイトルは 「操体を初心者に説明する」 です。 1週間にわたってお届けします。 人に何かを説明するというのは意外と気を使うものである。 なぜなら、物事を正確に伝えることができたのかどうかということが重要であるからだ。 我々が何かの説明を受…

呼吸

つづき これまで 「肚」 と 「性」 という 「死の中枢」 と 「生の中枢」 について述べてきたが、これは施術において重要なポイントである。 またこの二つは連動する関係にある。 そして双方に寄与しているのが呼吸であり、その呼吸に意識を持たせることで、…

エクスタシー

つづき 本当の性的な体験というのは、またひとつの死の体験でもある。 性のセンターが脈打ち、その波動をからだ一面に広げるとき、死の中枢もまた脈打ちはじめる。 すると、その恐怖ゆえ性行為の中でオーガズムに達するのは難しくなる。 オーガズムというの…

生の中枢

つづき 日本の武士が、何故、切腹などというようなことをする必要があったのか、誰ひとりとして理解できないほど、実に単純な物事のために自殺をする。 しかし、武士は生と死は別々なものではなく、その生と死は二つではなくて一つなのだということを知って…

腹式呼吸

つづき からだの中にあるその 「肚」 は物理的には存在しない。 それは一つの不在、それは一つの 「無」 なのだ。 そして、武士道の修行のすべては、その 「肚」 に注意を向けることにある。 武士はそのためにある呼吸法を編みだしている。 その呼吸を続けて…

武士の切腹

つづき からだの中のブラックホール、それはちょうど 「へそ」 のすぐ左下にあった。 その場所には、「死の重要な個所」 が存在しており、それはとても微妙な 「要点」 である。 日本の武士の 「切腹」 という言葉の語源はこの 「肚」 から来ている。 インド…

死の所在

つづき 我々日本人の先達は、からだのどこかに 「死」 というものがそのホームグランドを持っているに違いないという、そういった思いからその場所を探していた。 そして、見つけることができた。 「死」 というのは、どこか外側からやって来るものではない…

操体を最初に知ったのは初期の操体法、つまり 「緊張」 と 「脱力」 という手法が操体との出会いだった。 これは私にとって特別なものではなかった、既に似たような療法は世に存在していたからである。 世界各国の古今東西におけるボディワークは無数にあり…

呼吸エクササイズにくいつく③

知識を持たずに故障した機械をいじるより、それに干渉せず、悪い状態のままにしておいた方が何倍も望ましい。 これと同じように人体組織は非常に複雑にできていて、異なるリズムと異なる必要性を持つ多くの器官を内蔵し、しかもこれらの器官は相互に関連して…

呼吸エクササイズにくいつく②

一般に行なわれているような人為的な呼吸制御を行なうと、からだは不調和を起こすと、昨日述べた。 従って、人為的な呼吸がもたらすかも知れない弊害を避けるには、他の食物を相応に変えなければならない。 そうするには、完全な知識があってのみ可能である…