日下和夫(くさかかずお)
最終日は五官のうち、 「利き耳」 についての 「ひだり理論」 を展開したい。 耳は、能動的な目とは反対に、気持ちを聴くとか、悩みを聴くというように、聴くという受動的な人の心に関する感覚器官でもある。 たとえば、患者さんに対する問診においても、視…
ヨーガのチャンドラヴェーダー(月の気道である左鼻腔を中心にする呼吸)では、「ひだり理論」 に基づく左鼻腔を中心に行う呼吸法であるが、この時、同時にもうひとつ行われなければならないことがある。 それは五官のうち、「舌」 を使うことである。 口を…
これまで話してきたように地球の有機生命体が月の影響なくして存在できないのと同様に、月も地球の有機生命体がなくては存在できない。 それは地球の有機生命体こそが月を養っており、すべての人間、動物、植物は月の食料であって、月は地球上で生き、成長す…
昨日と同じ 「ひだり理論」 の続きで、「月」 と 「人体」 に関する生命体とナトリウムの続編である。 45億年前の地球と月の距離が12分の1というのは、潮の満ち引きにおいて壮絶なものであったことが想像できる。 万有引力は距離の自乗に反比例するので、引…
「ひだり理論」の始めは、イダーナーディー(左の道)と言われる 「月の気道」、すなわち地球を回る 「月」 と 「人体」 との関係について話を進めたい。 我々の生命を支える血液も、地球生命体を育んでくれた海水にも、塩分、つまりナトリウムイオンがたっ…
病気に深く影響を与える自律神経には、からだの左右バランスが関係し、その左右バランスというのは、「重心軸の移動」 や 「体重が乗る力」 や 「支点にかかる力」 が大きな要因となっているということを昨日述べた。 そして、ヒトの体重というのは、左右の…
テーマは 「左右」 の、「ひだり」 ! ボディの内、「ひだり側」 にまず注目されるのは、心臓の拍動である。 実は、その拍動が左胸から聞こえるようになったのは、出生後のことであり、胎児のときには、拍動の強さに左右の差はなく、心音は真ん中から聞こえ…
最終日は、進化した操体の 「遠隔治療」 について述べてみる。 操体の創始者、橋本敬三医師がある地方に招かれて、雑談の中で言われたことは、「治療師や医者は、腕が上がるほど手数が減る」 という名言だった。 つまり、腕のいい医者や治療家になるほど、や…
6日目は 「想」、精神活動について述べてみる。 精神とは 「心構え」 のことであると先に述べた。 その心の乱れが肉体に影響を及ぼし、病気を呼ぶことになる。 自分勝手に、自分本位にものごとを考えていると、「我執」 が強く、いつもイライラ、クヨクヨ、…
5日目は 「動」、身体運動について述べる。 身体運動というのは、安定した姿勢で立ったり、坐ったり、歩いたりすることであり、この運動することについての操体的理解を深めていきたい。 身体の運動は筋肉の伸縮によって行われるものではあるが、その動きが…
4日目は 「食」、飲食について述べる。 飲食の目的は二つある。 肉体の組織をつくることと、活動エネルギーをつくることにある。 蛋白質と脂質は肉体組織をつくり、糖質と脂質は活動するための熱量をつくってくれる。 それからビタミン、ミネラル、酵素など…
3日目からは、四つの自己責任である 「息・食・動・想」 のそれぞれについての理解を深めてゆくことにする。 この内、 「息」、呼吸について今日は述べてみようと思う。 呼吸の目的の一つが酸素である。 心臓から出発した動脈血が、500兆もの細胞に、酸…
2日目は、広義の意味での 「操体」 をお薦めする理由について続けていく。 我々が健康状態を維持していくためには、他人に代わってもらえない自己責任の活動として少なくとも四つあると、橋本敬三医師は言っている。 それが、呼吸、飲食、身体運動、精神活…
操体の創始者である橋本敬三医師が仙台の温古堂で日々の治療として使っていた臨床を 「操体法」 と呼んでいる。 この操体法に橋本医師の思想や生命観といった哲学的な面をも含めたものを広義の意味合いで 「操体」 と呼んで区別している。 初日の今日は、「…
最終日は 「食」 についてのセルフケアである。 食と云っても食べることではなく、「断食」 というセルケアのことだ。 断食をする目的は、宿便の排除につきる。 健康体といわれる人でも、快便が毎日あるという人であっても、一般的な社会生活をしている人な…
昨日までは姿勢のセルフケアであったが、今日は、からだの動きのセルフケアに入っていきたい。 動きというのは筋肉のことである。 その筋肉のセルフケアとして話を進めたい。 これについては、「肩と頸の力を抜く」 ことと、腹部の 「丹田に力を込める」 こ…
昨日からの続きで、寝る姿勢のセルフケアとして、もうひとつは姿勢そのものではないが、寝る時の 「枕」 についても、セルフケアの一環として述べておきたい。 本来、枕は頭ではなく、頸を置くためのものである。 自分の薬指を半径とした半円の堅い枕(丸太…
健康の維持や病気の予防をするために、そのセルフケアとしてヨーガを実践している方も多いと思う。 しかし、ヨーガで体位法が発達したのは、健康や美容のためではない。 体位法の本来の目的は、良い姿勢をつくるためである。 この姿勢が間違っていると、深い…
呼吸によるセルフケアとして 「仰臥位での腹式呼吸」 というものを昨日述べたが、今日はその詳細な内容について話してみたい。 私自身の呼吸によるセルフケアの目的は、免疫力を高めることにあると、昨日述べた。 ここでいう免疫力というのは、細菌やウイル…
私自身のセルフケアの中で、絶対に外せないのが 「呼吸」 である。 人間の呼吸については特に注意しなければならないことが多くある。 私は身近にいる犬や猫が呼吸しているのを長年にわたって観察を続けてきた。 人間と犬や猫の呼吸を比較すると、大きな違い…
今回は 「セルフケア」 という動物の本能とも言えるテーマだ。 私個人のセルフケアに入る前に、人間のセルフケアそのものの必要性について触れてみたい。 野生動物は殆んど病気をすることがないのに、人間ばかりが病気に苦しんでいる。 同じ地球上に棲む動物…
兵庫県三田市で再々スタートするにあたって、地域情報誌への広告と地元新聞の折り込みチラシを入れることにした。 それはリハビリ目的の操体ヨーガセラピーの被験者を確保するねらいが一番のメインであるからだ。 広告の反応はすぐにあった。 思惑通り、やは…
当院を案内したことで、彼も大いにやる気になったようだ。 そして、その2日後に連絡があり、話を進めてくれとの返答だった。 私はすぐに当テナントビルのオーナーに掛け合った。 同業の仲間に引き継いでやらせたい旨、説得するのに頑張った。 その結果、名義…
問い合わせがあった出張施療先は、兵庫県の三田市だった。 都市部からは郊外ではあるが、大阪、神戸への通勤圏内にあり、そのベッドタウンとしてサラリーマン人口も増え、また最近は学園都市でもある。 施術依頼のあった自宅に伺うと、電話してきた本人では…
私は本来、朝型タイプなので夜は苦手な方だ。 それなのに夜型開業セラピーにハマってしまうなんて成行きとはいえ自分でも信じられない。 こんな生活を続けて1年が過ぎた頃、私が最初に開業する前に勤務していた催眠療法センターの所長から電話をもらった。 …
居酒屋の壁に貼らせていただいた広告には10時~20時と記している。 次の日に居酒屋に行くと、店主が広告を指さして、「もっと遅くまで時間を伸ばすことはできないのか?」 お客さんが言うには、「20時じゃ夜のお仕事関係の人は誰も行けないね」 と言っていた…
「哲学する操体 快からのメッセージ」 を熟読した私は、東京操体フォーラムに参加してこの本の著者である三浦寛師に出会うことができた。 その夜の会合で皮膚操法について伺うことができ、操体講習を受講することになり、毎週2年間の上京生活が始まった。 …
私が操体と縁ができたことについては、大した意味があるわけでもない。 それまでの私のワークはヨーガと精神療法を生業としていた。 原初療法やブリージング・セラピーといったサイコ・セラピーのオフィスを神戸市内で開いていた。 こういったところにやって…
般若心経の 「心」 を大般若六百巻の 「提要」 などと解してしまう仏教学者は、インドの思想について全く理解していない証拠である。 「心」 の原語である hṛdaya:フリダヤ(心)」 はまさに心臓のことであり、その心臓はからだの中で最も大切なところであ…
インドの習慣では、マントラ(明呪)は公開的なものではなく、グル(宗教上の師)が弟子と二人だけの席で、弟子に授けるものであって、弟子は自分に授けられたマントラは固く秘密にして、他人に漏らしてはならないことになっている。 これらの習慣を鑑みて、…