東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

私のセルフケア⑦

 最終日は 「食」 についてのセルフケアである。 食と云っても食べることではなく、「断食」 というセルケアのことだ。 断食をする目的は、宿便の排除につきる。 健康体といわれる人でも、快便が毎日あるという人であっても、一般的な社会生活をしている人なら、例外なく宿便を持っている。

 

 先にも述べたが人間の寿命は、生理学上、125歳であるとわかっていても、その半分ぐらいから病患に陥り、健康寿命を続けられなくなる。 その理由のひとつは、宿便の仕業であるとみてよい。 この宿便というのは、腸壁に付着して一向に動こうとしない便のことである。

 

 また腸の内壁に内出血があると、黒ずんでくるので、黒便とも言っている。 この黒便が腐敗して毒素をつくり、それが吸収されて全身に回ることになる。 すると、この毒素が脳に弱点があれば、脳の病気が発症し、心臓に弱点があると、心臓病になる。 このように宿便が関与しない病気はまずない。 そこで断食を行なって腸を浄化すると、必ず、いずれの病気も好転する。

 

 腸の内容物が肛門に向かって移動するのは、腸自身の蠕動運動によるものである。 しかし、このシステムはトコロテン方式ではない。 先にある内容物が肛門に向かって便として出て行ってから、次の内容物がやって来る、というのが自然なサイクルである。 先の便がまだ出ていないのに、次の内容物を押し詰めると、ますます押し詰まりがひどくなって、糞づまりの腸になってしまう。 すると、その自己中毒によって、腸蠕動も弱まり、栄養の吸収も落ちてくる。 これでは病気にならないはずがない。 そこで断食をすると、次の腸内容物の押しかけがなくなって、腸の機能が回復してくる。

 

 ヨーガの浄化法の中にも断食法が存在する。 しかし、それは病気を治すためのものではない。 断食によって頭脳が、極度に明晰になって、自然の摂理が手に取るようにわかり、瞑想に深く入って行けるからである。 だから、病気治しに断食法を実践するのは、本来的には邪道であるが、真実への方便と心得て行なうのは良いことだと思う。

 

 私が行なう断食は、水だけを飲んで行なう 「本断食」 を実践している。 しかし、家庭断食であることから 「三日間断食」 を実行している。 三日間までだったら、多少の反応があるにしても、誰でも実行できる期間なので、社会生活を続けながら、家庭に居ながらできるものである。

 

 ただし、三日断食であっても、断食後の復食期は、やはり断食期間と同じ三日間をかけて、重湯、粥、軽食、というように漸増食の厳戒を踏まなければならない。 断食を始めるのも同じように漸減食の期間をおかなければならない。 本断食の日数の前後に同じ日数の漸減食漸増食をおくことになる。 このようなセルフケアとしての断食を私は年に4回行なっている。 つまり、春夏秋冬の季節に溜まった毒を各季節の終わり頃に、ほぼ3カ月に1度のペースで三日断食を実行している。 断食の効果は、歴然と現れてくるので、必然的に 「健康」 が実感できるようになる。

 

明日からは香さんのセルケアです。 お愉しみに!