三浦理事長の操体法講習会に初参加した25年前。
「からだ」を動かすということは、「重心」が変化しているということ。
考えてみればこんな当たり前のことを、じっくりと考え直す機会に恵まれた。
動物として自然なこと。
生命活動をおこなうのは、地球の重力下で生かされているから。
ヒトとして、自然なのか不自然に動いているのかに気付き始めた。
気付いたら、自然な動きにはルール( 法則 )があり、学びつつ実践して、
これは間違いなく、天然自然のルールだったのだと、実感することで繋がってきた。
「からだ」のうごきになるのだと。
わからなかったことがわかる。
わけがあるのだから、わけを学ぶ。
「からだ」の言い分、生命の基準、重力下における物理的細胞感覚のことも伝わってくる。
私たちの「からだ」にとって、細胞感覚とはどのようなものなのか。
「からだ」の細胞とは、他の細胞と協力し合って健康を維持しなければならない。
もし、細胞同士が協力しなければ、病気や死が待っている。
細胞感覚のイメージは、ヒトの社会構図にも拡がっている。
なぜ、世界が今も病気なのかを、理解する助けになってくるのではないか。
その空間へ意識を飛ばし、想念を馳せる想像力を働かせてみよう。
「からだ」には、とても複雑で巧妙な免疫システムがあるので、喩えを入れ説明してみよう。
いくつかの種類の細胞が協力し、事件現場に急行する者、
敵情報を他の細胞に伝え、それに見合った応援要請を出し、
場合によってはすぐに制圧して終了。
終わらなければ全身的な戦いになる事もある。
これは、外部から「細胞」が犯されることへの防衛機能。
国家に例えて日本で言えば、警察や自衛隊、地域の一人一人が担う働きとなる。
ところが、この免疫システムが
自身の「細胞」を攻撃し、
病気になってしまう事がある。
「からだ」に張り巡らせた血管自体をなぜか「敵」と認識して、免疫が攻撃してしまう、
そんな慢性疾患もあり、原因もわからず、
免疫を抑える薬を飲む事でなんとか鎮静化しているのが現状。
腸の後ろのほうにある大腸の粘膜を敵と認識し、徹底的に攻撃してしまう異常があり、
クレーターのような穴が空き出血し、
「からだ」の大切な赤血球やアルブミンや
血小板が足りなくなり、強い腹痛に見舞われてしまう。
これも原因はわからず、免疫を抑える強い薬でやり過ごすのが精一杯の難病である。
髪の毛の「毛根」を敵と認識してリンパ球が攻撃してしまう円形脱毛症。
部分的なものもあれば、自然治癒と再発を繰り返すものもあり、
髪の毛が全て無くなってしまう場合もあり、これも原因はまったくわかっていない。
髪の脱毛自体に痛みや命に別条はなくとも、年齢や症状の重さによっては、
とても辛い精神的苦痛を伴うもので、実際に、ワタシの親戚は中学生の時、
発症してしまい高校生からカツラを装着しなければ不登校になっていた。
何回も言うが、免疫細胞の暴走した状態における決定的な治療法はない。
(近年新薬で、毛根へのリンパ球の免疫反応だけを阻害する薬が認可された。
非常に高額で長期的な対症療法としては経済的な困難をきたしやすい)
考えてみると世界中で似たような事はあり、
「からだ」を介してみれば、ここも想像力の、
空間を介して貫通する「想念」世界となる。