東京操体フォーラム 実行委員ブログ

操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

薫風の時季より・・・7

おはようございます。

 

青葉に萌える山々。
山々に響く鶯の鳴き声。
さわやかで優しい風に、かすかに混じる夏の匂い。

 

ふと、鳥のように、この大空を自由に飛び回れたら、気持ちいいだろうなという想いがよぎる。

しかし、鳥と人間ではツクリが違うし、呼吸による内部の空気の流れも違う。

そもそも自然の中での適性が違うという事。

 

それでも、人類は知識と知恵により、飛行機をはじめとする飛行物体を発明し、空を飛ぶ事を可能としてきた。

その元には、地表での生命活動での人間としての適応性をつうじて、知識と知恵を高めてきた事が挙げられるであろう。

二本足でしっかり立ち、両手を器用に使い、自然の理を解明し、活用していく。

そうして、鉄の塊を空に飛ばす事を成し遂げた。

 

飛行機やロケットの飛行安定性には、空力中心と重心の在り方が大きく影響しているという。

空力中心は、物体にかかる空気力(揚力や抗力など)の作用点。

重心は、物体の重さの総和の中心点。

安定飛行には、空力中心が重心の後ろにあるのが望ましいという。

 

そういえば、子供の頃に、紙飛行機を飛ばしていて、クルッと回ってすぐ落下してしまう紙飛行機も、先端に事務用のクリップを付けたら、真っ直ぐにス~と飛んで行ったのが思い返される。

物体の形状が単純で、重さの分布が一様であれば、重心と空力中心はほぼ同じ位置にあることが多いが、安定した飛行の為には空力中心より重心が前に位置するように、設計を工夫した方が良いとされる。

子供の頃の、紙飛行機の工夫も、間違っていなかったという事であろう。

 

では、これを人間の身体に当てはめたらどうなのだろうか?

人間の身体の、重さの分布は一様ではない筈。

内臓の位置関係からの重さも、左右で違うし、上下で違うというのは明らか。

そして、2本足で立ち、呼吸し、動いて、この空間で生命活動を営んでいる。

 

従来の正中中軸のちょうど真ん中、というような重心の考え方で良いのだろうか?

この考え方は、古くから常識のように引き継がれているが、そこから健康体、自然体を考えた時、それで良いのだろうか?

そこから、健康維持増進へ向かえるのだろうか?

 

人類は、鉄の塊を空に飛ばすくらいの凄い知識と知恵を身につけた。

今度は、その身からの基の健康という事も考える必要があると思うのです。

一週間のお付き合い、ありがとうございました。
来週は畠山裕美先生の担当となります。
どうぞ、おたのしみに。