先日とある老紳士のお宅へお邪魔する機会がありました。
昨年からふとした御縁で家族ぐるみでお付き合いする仲になった方で、年に数回顔を合わせるのをお互い愉しみにしています。
その方は今年からハイビスカスをお部屋で育てています。
一体いくつの花をつけるのだろうと興味を抱き、その様子を観察していたとのこと。
ハイビスカスは基本的には咲いた花は一日でしぼんでしまう一日花。
その方はそのしぼんだ花を捨てるのがしのびなかったそうで、それを丁寧に並べてとっておられました。数えてみると30輪以上あり、当初花屋さんから聞いていた数の倍をこえる花を咲かせてくれたとのこと。
「この頃はもうだいぶ花も咲き切った感じですが、今日は寺本さんたちがいらっしゃるから咲いてくれたらいいなと思っていたんです」
そうお話いただいたその先に、とても素敵に咲いている一輪の花がありました。
「今年咲いたなかで今日が一番綺麗かもしれない」、とその老紳士はしみじみ仰っていました。
一連のお話を伺い、またそのハイビスカス、そしてしぼんでも大切にされている花々を前にして、何かことばにならないものが流れ込んでくるようでした。
ひとつたしかに感じられたことは、この窓辺にて植物とヒトは一日一日を過ごし、互いに対話して生活してこられたんだなということでした。
こうして目の前にいる私にも何か言葉にならないことばが語りかけてくれているように感じ、しばらくその場にいて味わっていたのでした。

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