東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

 あの時

こんな患者さんがいました。高校3年の男の子。
上半身が左に傾いています。でも、右には傾けることが出来ません。
左に傾いた上半身を真ん中に戻すには、1度座らなければ戻りません。
立ったまま戻そうとすれば、骨盤がガクガクとして激痛が走ります。
前にも少し傾いていますが、それ以上は曲がりません。後ろにはまるっきり反れません。
痛みは腰だけでなく右足にもあります。常時痺れて、親指にはジリジリとした熱感もあります。
歩くのもギクシャクし、少し歩くと痛みのために、一休みしないといけません。
横になっても足は伸ばせませんので、エビのように丸まっています。
でも、痛みでじっとしていられませんし、夜もよく眠れません。
朝は1番痛くて、起き上がるまで数十分かかります。
痛み止めも効かないし、くしゃみは怖いし、トイレで踏ん張ることも辛いです。
病院も接骨院も整体も鍼灸カイロプラクティックも掛かりましたが、変化がありません。
こんな状態が何ヶ月も続いています。なかなか大変な患者さんです ・・・ 


実はこれ私自身なんですけどね。


私は時々思います。
あの痛かった時に、からだは何をして欲しかったのだろうかな?と。
自分が治療する立場だったら、どんな治療を施したろうかな?と。
あの時に操体をうけていたら、からだはどういった反応を示したのだろうかな?と。
今となっては、いい体験をしたのかもしれません。



中谷之美